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金魚の写真の撮り方(10) 正しい色に写す

ホワイトバランスとは

 人間の目には、物が正しい色に見えるように調整する働きがある。だから例えば、蛍光灯の光でのもとでも、白熱電球のもとでも、違和感なく生活ができる。
 ところが蛍光灯の光と白熱電球の光とでは、実は光の質にかなりの違いがある。そして、カメラは機械なので、同じ物体でも、蛍光灯で照らすのと白熱電球で照らすのとでは、全く違った色に写る。
 フィルムを使用して写真を撮っていたころは、白熱電球用(タングステン)のフィルムなどというものが存在したし、蛍光灯のもとで写真を撮る場合は、色が正しくなるように調整するフィルターをレンズに取り付けたりもした。

 デジタルカメラの場合は、カメラの設定によってそれを変えることができるので、自分のカメラの説明書の「ホワイトバランス」の項目を一度読んでおくことをお勧めする。  

 ちなみにストロボは、自然の光に近い色になるように作られている。だから、ストロボを使う場合はホワイトバランスは自然光を選べばいい。
 ただ、新品に近いストロボの光は自然の光よりも青い傾向があり、そんなストロボで撮影すると被写体がやや青くなる。その場合は、デジタルカメラのホワイトバランスの中にストロボという選択肢があるので、ストロボが新しい間は、それを選べばいい。

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白いホーロー洗面器の中のカタツムリの模型
ストロボを使用して撮影し、カメラのホワイトバランスは自然光を選んだ
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ストロボを使用して撮影しているのに、カメラのホワイトバランスは蛍光灯に設定

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ストロボを使用して撮影しているのに、カメラのホワイトバランスは白熱電球(タングステン)に設定

 これらの画像を見たら分かるように、実際の光源とカメラのホワイトバランスが合ってない場合は、画像はおかしな色になってしまう。


オートホワイトバランス

 カメラも、人間の目のごとく、物が正しい色に見えるように自動的に調節してくれたらいいの!と感じる方もおられるだろう。
 そんな人のために、デジタルカメラには、オートホワイトバランスという機能がある。
 ただし、オートホワイトバランスはいつでも有効な訳ではないので、オートホワイトバランスの性質を簡単に紹介しておこう。
 オートホワイトバランスは、画面の中に白い部分がある時には、非常に有効に働く。つまり、画面の中の白を検出して、そこが白くなるように調節しているようなものだと考えておけばいい。
 逆に、白い部分がない場合は、あり得ないような妙な色に写ることがある。またその場合、カメラのメーカーによってもオートホワイトバランスの能力に違いがあり、オートホワイトバランスに関し言うと、キヤノンのカメラが非常に優れている。

 さて、洗面器の中の金魚の撮影の場合はどうだろう?
 洗面器の白があるため、オートホワイトバランスは大変に有効である。
 オートホワイトバランスを選んでおけば、10中8、9、金魚の色は見た目通りに写る。



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金魚の写真の撮り方(9) TTL編

TTL方式でストロボの光の量を調整する方法

【ストロボ側の設定】
ストロボの説明書を見て、ストロボをTTLに設定する。
TTLとは、ストロボの光の量を、カメラが自動的にコントロールする方法だ。

【カメラ側の設定】
カメラの側には、絞り優先オート ・ シャッター速度優先オート ・ プログラム ・ マニュアルなど、いくつかのモードがあり、TTLで撮影する場合はカメラのメーカーや機種によってどれを選んだら使いやすいのかが異なり一概には言えないのだが、マニュアルを選んでおくのが一番手堅い。
マニュアルを選んだ上で、カメラのシャッター速度を1/60、レンズの絞りを11くらいに設定すればいいだろう。

絞りの11は厳密なものではなくて、8でもいいし16でもいい。絞りの数字が大きくなればなるほど、ピントが合いやすくなる。逆に、金魚の一部だけにピントを合わせて、他の部分をぼかしたフワッとして雰囲気の写真が撮りたいときは、絞りの数字を小さくすればいい。
あとは、シャッターを押しさすれば、カメラとストロボが連絡を取り合い、画像がちょうどいい明るさいになるように、機械が自動的に調節してくれる。


TTL方式の弱点

撮影者が絞りやシャッター速度を選びさえすれば、あとはカメラとストロボが自動的に画面の明るさを調節してくれる手間いらずなTTL方式だが、問題はカメラが間違えをおかすことだ。
そして、その間違えはいつでも起きるわけではなく、カメラが苦手とする状況があるのだが、そのカメラが不得意な状況の1つに、白いものや明るいものを撮影する場合がある
つまり、金魚を白い洗面器の中に入れてTTLで撮影すると、洗面器の白に影響され、画像は適正な明るさに写りにくい。
その場合は、カメラまたはストロボに露出補正という項目があるので、画像が暗過ぎる場合は露出補正をプラスに、明るすぎる場合には露出補正をマイナスにした上でシャッターを押す必要がある。

洗面器の中の金魚をTTLで撮影した場合には画像はかなり暗く写ってしまうので、あらかじめ、カメラまたはストロボをプラスに露出補正をしておく必要がある。露出補正の程度はカメラの機種によっても違ってくるが、洗面器の中の金魚の場合はプラス1~2程度の補正が必要になるだろう。


_DSC9749-3.jpg
TTLでプラス1の露出補正をした上で撮影したもの。
白い洗面器の中の被写体を撮影する場合は、プラス側の露出補正が必要な場合が多い。

_DSC9749-2.jpg
TTLで露出補正なしで撮影したもの。
一般に画面の中に白が多い場合は、TTLで撮影すると、この見本画像のように実物よりも暗い画像になることが多い。

_DSC9749-1.jpg
TTLでマイナス1の露出補正をした上で撮影したもの
マイナス補正をすると画像はより暗く写る。まずは一枚試し撮りをしてみて、その画像が明る過ぎる場合はマイナス側に露出補正する必要がある。

(10)に続く 

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金魚の写真の撮り方(8) マニュアル発光編
 ストロボを使用して写真を撮ったら、写真が妙に明るく写ったり、逆に暗く写ることがある。ストロボを使用する際に一番大切なことは、ストロボの光の量が適正になるように調節し、写真が明るすぎたり、暗過ぎないようにすることだ。
 その光の量の調節だが、主に、

A. カメラが自動的にストロボをコントロールするTTL方式
(ニコンのSB-600では、液晶の左上部分にTTLという表示が出る。)
_DSC9854.jpg

B. 人が手動で行う方式
(ニコンのSB-600では、液晶の左上部分にMという表示が出る。)
_DSC9856.jpg

 の2種類の方法が一般的だ。そこで今回の記事と次回の記事とで、そのそれぞれを紹介しようと思う。


手動でストロボの光の量を調整する方法

【ストロボ側の設定】
1. 
まずは説明書を読みながら、ストロボをマニュアル発光に設定する

2. 
マニュアル発光ではストロボの光の強さを手動で変えることができるが、最初は適当に、1/2~1/8くらいに設定しておく。

ストロボの光の強さは、数字が大きいほど強くなる。一方で、ストロボを強く光らせれば光らせるほど、一度発光させてから次の発光が可能になるまでの時間が長くなり、フル発光させると、時には数秒間待たなければならないこともある。

【カメラ側の設定】
3.
カメラの側には、絞り優先オート ・ シャッター速度優先オート ・ プログラム ・ マニュアルなど、いくつかのモードがあるが、その中のマニュアルを選ぶ

4.
カメラのシャッター速度を1/60にする。
(厳密に言うと機種によって異なるが、1/60にしておけばまず大丈夫)

5.
カメラの側のレンズの絞りを最初は適当に11くらいになるように設定する

6.
カメラのシャッターを押し、液晶で画像を確認する。
画像が明る過ぎる場合は、レンズの絞りの数字が大きくなるようにする。
画像が明る過ぎる場合は、レンズの絞りの数字が小さくなるようにする。
下記に訂正
画像が暗過ぎる場合は、レンズの絞りの数字が小さくなるようにする。

これは絶対ではないが、11~16くらいが理想だろうと思う。また、レンズの絞りの数字が大きいほど、金魚全体にピントが合いやすくなる。絞りの数値が、5.6や4の場合、金魚の体の一部がぼけてしまう場合もある。

【再びストロボ側の設定】
7.
もしも、どんな絞りの数字を選んでも、画像が暗くなってしまう場合は、2に戻り、ストロボの発光量が大きくなるように設定する。最初に1/8を選んでいた場合は、1/4や1/2にしてみる。
また逆に、どんな絞りの数字を選んでも、画像が明る過ぎる場合は、ストロボの発光量が小さくなるように設定する。最初に1/2を選んでいた場合は、1/4や1/8にしてみる。

そして、なるべく絞りが11~16くらいの時に、ちょうどいい明るさになるように調整する

あとは、洗面器の中で金魚を泳がせ、撮影するのみ。
一番最初に撮影する時には、ストロボの明るさの調整が少々面倒かもしれないが、2回目以降は、最初の設定を覚えておけば、微調整くらいの手間ですむことだろう。

(9)に続く

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金魚の写真の撮り方(7) 光の拡散編
_MG_9424.jpg

 もしも金魚の右側からストロボの光をあてたなら、金魚の左側に影ができる。そして強い影は時に、とても見苦しい。
 そこでその影を弱める必要があるが、その場合には、ストロボと被写体の間に拡散板 (乳白色の塩ビ板・アクリル板・トレーシングペーパーなど、色がついていない半透明の物体) を置くのがいい。
 この方法は、影をなくてしまうのではなく、影を柔らかくして心地のいい影をつける方法だ。

 影をやわらかくするためには、塩ビ板はなるべく被写体に近くストロボはなるべく塩ビ板から遠い位置に設置するのがいい。また、塩ビ板が厚ければ厚いほど、影が柔らかくなる
 だが、塩ビ板からストロボを離し、塩ビ板を厚くすると、ストロボの光が足りなくなる可能性があるので、その点は自分でいろいろと試してみる必要がある。


影が柔らかくなる理屈

 照明器具で物質を照らす場合、照明の光の部分が小さいと強い影が出る。一番典型的なのは、スポットライだ。逆に、光の部分が大きいと影が弱くなる。典型的なのは、蛍光灯である。
 スポットライトで上手に物を照らすと、ドラマチックでかっこいいが、大抵は影が強くて見苦しくなる。逆に、蛍光灯の下では、物がきれいに見える。
 ストロボの発光する部分はとても小さい。だからストロボで物を照明すると、強い影が出る。
 だがその間に乳白色の塩ビ板を置くと、ストロボの光がいったん塩ビ板を広く照らし、その広く照らされた部分が今度は被写体を照明するので、影が柔らかくなる。


影の強さの違い

_DSC9749.jpg
(拡散板あり 影はついているが、その影が心地いい)
_DSC9750.jpg
(拡散板なし 影が強くて見苦しい)

 この見本写真のカタツムリの模型は底に沈んでいるのだが、金魚の場合は沈むのではなくて少し浮いた状態になる。すると、さらに影は柔らかくなり、この見本の画像よりも、さらに心地がいいものになる。影は、背景が近ければ近いほど強くなる。


(7)に続く。 

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金魚の写真の撮り方(6) セッティング編
_MG_9240.jpg

 カメラとコードで接続したストロボを、洗面器の真上ではない位置に固定する。
 この画像ではカメラを三脚に固定してあるが、実際の金魚の撮影の際には三脚は不要。ストロボを使用するとぶれにくくなるので、三脚を使わなくてもぶれていない写真が撮れる。
 

洗面器の真上ではない位置とは

 洗面器の真上にストロボを設置すると、ストロボが発光した際の光が、水面に反射して写ってしまうことはすでに書いた。
 そこで、ストロボは洗面器の真上から少し離れた場所に設置する。
 だが、やたら滅多に離す必要はないので、最初は適当にストロボの位置を決め、実際にシャッターを押してみるのがいい。
 下の画像の右下に、白っぽい反射が見られるが、これはストロボの光が洗面器に写ったもの。水面や洗面器にこうした反射が見られる場合は、ストロボを洗面器からより遠い位置に離せばいい

_DSC8801.jpg

 さて、今日の最初の画像を見ればわかるとおり、今回はカメラの右側からストロボを光らせている。
 さらに今日の2つ目の画像を見てみると、当り前のことではあるが、カタツムリの模型の左側に影が出ている。そして、この影は少々見苦しい。
 ストロボを洗面器の真上ではない位置に設置すると、水面への反射を防げるが、代わりにこうした影がついてしまう。
 そこで次回は、この影を弱めるための方法を紹介する。

(7)に続く。 

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