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水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
カメラマンは目が命
 撮影中にコンタクトレンズを紛失してしまった。
 失くしたものと同じものを買えば、手っ取り早い。が、失くしたのは随分前に作ったものなので、その間に度が眼球のカーブが変わっている可能性があるし、この機会に眼科で診察を受け、新しいものを作ることにした。

 ただ、コンタクトレンズを作る時は、毎回、すんなりいかない。
 カメラマンは目が命でありそんな僕が求めるレベルは、眼科で検眼を担当している人が普段接している一般の人が求めるレベルとは違う。
 一言で言えば、眼科での検眼は型にはまった大雑把なものだ。
 前回コンタクトレンズを作った際には、3度も交換してもらった。受け取ったコンタクトレンズを目に入れ、
「見えない。」
 と言っているのに、
「新品のレンズは最初そんなことがあるのでしばらく使ってみてください。」
 などと求められ、結局何度も通院しなければならなかった。
 しかし、今回検眼をした人は上手かった!こちらの求めを瞬時に理解してくださった。
 男性だったのが良かったのかもしれない。
 女性の能力を否定するつもりはないが、家族を養わなければならず、組織の中で出世をしていく必要がある一家の大黒柱であるお父さんとそうでない人との間に、意識の差があるのは当たり前のことだと思う。
 女性の問題というよりは、男性中心の日本の社会の問題なのかもしれない。
 
 さて、マニュアルフォーカスでのピント合わせは、実は大変に難しい。たとえ被写体が静物であっても、訓練なしで正確なピントが得られるものではない。
 ところが、ピントは合わせればちゃんと合うものだ、と思い込んでおられる方が結構多い。
 レンズがシャープではない、と誰かが主張する場合に、実はピントが悪いというケースは大変に多い。
 それから、カメラのファインダーが見難いからピントが合わない、というのも同様で、実はその人の技術が悪い場合が多い。
 ニコンのカメラなら、D300やD200でピントが合わないのなら腕の問題だろう。僕がたくさん使用したカメラで言うと、D70でも、ちゃんと訓練を積んでおけば、見易くはないものの十分使える。
 EOSの下の方の機種は、たしかに厳しいかなと思う。

 目を訓練すると、大半の人が気にならないものが見えるようになる。
 例えば眼科の検眼の際には、眼鏡をかけられ、そこにさまざまな度のレンズを入れられるが、度が強いレンズを入れると像が小さくなり、僕にはその像のサイズの変化が気になって仕方がない。
 また、2枚のレンズを重ねて入れられ、
「どうですか?」
 と聞かれる場合もあるが、重なったガラスの影響が見えてしまい、見えが良くなったのか、悪くなったのか、答えることができなくなる。
 像が小さなデジタルカメラ用にファインダー像を拡大するようなアイピースが発売されているが、その手のものも同様で、むしろ余計なレンズが入ることで見難く感じられてしまう。
 唯一の例外はキヤノンのアングルファインダーの1.2倍の像で、これは非常に見易すく、僕はニコンやオリンパスのEシステムのカメラにキヤノンのアングルファインダーを取り付けられるようにしている。

 ともあれ、目の訓練と言っても、ジムで鍛えるわけではなく特別なことをする必要はない。
 マニュアルフォーカスでたくさんピントを合わせ、写真を撮るのみ。

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マンフロット Manfrotto 190XPROB
 三脚は十分な重さの物を、というのは写真のハウツー本を開けばよく書いてあることだが、果たして本当にその通りだろうか?

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 重たい三脚には、機動力を損なわせるという大変に大きな欠点がある。
 もちろん、ほんのわずかなブレも許されないタイプの写真の場合は、機動力を犠牲にしてでも十分な重さの三脚を用いなければならないだろう。
 だが、そんなわずかなブレも許されないような撮影の機会は、現実的にはそれほど多くはない。世に出る出版物を眺めてみれば、三脚使用どころか手持ちで撮影された写真が山ほど流通している。
 だから、手持ちよりはましと考え方で、あえて軽量の三脚を持つ選択肢もあっていいだろうし、そんなことが書いてある写真の教本があってもいいのではないか。
  
 マンフロット Manfrotto 190XPROBは、脚の出はスムーズで、しかもなかなか器用にアクションをするので、植物や小さな生き物の撮影には持ってこいだと思う。
 健康な成人男性なら、片手で持ってほとんど負担にならない重さだろうから、撮影のリズムを悪くしない。カメラバッグに付属の三脚ホルダーなどにぶら下げても、バッグが三脚の重みでひどく引っ張られて、ひどくバランスが悪い感じもない。
 脚の締まり具合も確かで、20年くらい前に使用していた、見てくれはいかにも舶来でカッコイイのだが、ちゃんと締まりにくい古いマンフロットとは大違いだ。 
 
 しかし、ニコンのD700に比較的軽量なAF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)を取り付け300ミリ前後にセットして、カメラに触れないようにファンダーを覗き、レリーズを使用してシャッターを切ってみると、シャッターが切れた後にミラーショックで画面がわずかに揺れるのが確認できる。
 だから、レリーズを使用してもブレの可能性があり、あくまでも手持ちよりはマシ、という使い方になるだろう。
 この三脚は、レリーズを使ってカメラに触れないようにすることでブレを防ぐのではなく、逆に、像がぶれないようにファインダーをしっかり見ながら手で上手にカメラを握り、ブレを手で吸収するような使い方の方がいいと思う。
 それでも、手持ちよりはずっとましであることは、疑う余地もない。

 

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ハードケースを特注する
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 僕は、主に水辺の生き物を撮影しているのだから、よく機材を濡らす。
 濡らすと言ってもさまざまなイメージがあろうが、ひどく水しぶきがかかる場合もある。だから、僕が撮影する姿を目にした人の中には、
「こんな場所でカメラを使って大丈夫?」
 と驚く方もおられる。

 しかしそれが元になったトラブルは、過去に一度だけ。それもかなり古いカメラであり、デジタルになってからは一度もない。
 EOS5Dなども随分濡らしたけれども、トラブルなし。
 インターネット上の掲示板などへの書き込みを眺めていると、レンズやカメラに関して防滴を望む、といった旨の書き込みを見かけることがあるが、多くの人の使い方(大半の人は、びしょぬれになるような状況では撮影しない)を見ていると、これ以上何かをする必要あるのか?という気もする。
 僕としては、水に濡れることが気になる場合は雨具を使い、カメラ本体は価格を抑えて欲しい。
 オリンパスのE一桁シリーズくらいの防水を施すのであれば、そんなカメラを一台持っておきたい気持ちはあるが・・・

 ただ、水中撮影の機材に関しては、大変に気を使う。こちらは、ほんのちょっとした雑さが、高価な機材をオシャカにしてしまう可能性があり、まず衝撃を与えないように気を配る。
 渓流の撮影などで水中カメラを持ち歩く際には、必ずハードケースに入れる。
 ただ、なかなかちょうどいいサイズのケースがないから特注になる。
 先日も新しいケースを作ったばかりだが、トライネットはお勧めできる。
http://www.trinet-jp.com/
 最初のやり取りを始めてから納品されるまでひと月近く要するが、特注なのに価格が安く、下手をすると既製品を買うよりも安上がりになる。
 電話やメールで問い合わせをすると、いかにも職人さんといった感じのおっちゃんが、対応してくれる。
 
   

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偏光フィルターと水辺の撮影(続編)
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NikonD3X AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED SILKYPIX

 水辺と言えば『偏光フィルター』だけど、僕はそれをほとんど使わないことは、前回書いた。
 理由は、反射にこそ、水辺の撮影の面白さがあるから。その反射を消したり弱めるのではなく、いかに生かすか!
 今回の画像では、画面手前の水のギラツキがそれになる。

 反射は目障りにもなるから、消した方が手堅いのは確かであり、偏光フィルターを使わないと撮影が難しくなる。
 だが、別に写真で失敗をしたところで命を取られるわけでもないし、手堅く行くよりも、それを超える何かを狙ってみてはどうだろうか?
 ただし、同じ場所で偏光フィルターを使った写真と使わない写真とを両方撮るようなやり方をしていると、まず上手くならない。なぜなら、偏光フィルターを使う場合と使わない場合とではカメラを構える位置からして違うのであり、偏光フィルターを持つとそれまでの習慣からどうしても偏光フィルター向きのポジションに構えてしまうからだ。
 いっそうのこと偏光フィルターを持たずに、撮影に行くことをお勧めする。
 反射とスローシャッターとの組み合わせで、NDフィルターも面白い。
 
 

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偏光フィルターと水辺の撮影
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NikonD3X AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED SILKYPIX

 レンズの評価って難しいな、と思うのは、逆光に優れていると言われているレンズにも、弱い角度が存在し、その角度に関しては、他のレンズの方が優秀だったりすること。
 レンズの評価は、そんなものだと思っておくことが肝心だ。
 ただ全体として見れば、ニコンのAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDの逆光性能は、圧倒的、驚異的であり、物凄い性能のレンズだと言える。

 カメラを逆光に構えると、被写体の表面にキラキラギラギラ反射が生じる。特に水辺では、その反射が顕著になる。
 それらの反射は、偏光フィルターを使用して抑えるのがセオリーだとされている。先日も、とある水辺で、写真教室の先生が受講生の方々に、そんな指導をしておられた。

 だが僕は、滅多に偏光フィルターを使用しない。
 レンズに取り付けるのは、せいぜい年に数回程度。理由は、その反射(つまりハイライト)の表現こそが撮影の腕の見せどころであり、面白さであり、そこに個性が出るものだから。
 また、ハイライトの描写は高価なレンズと安価なレンズの違いの1つであり、僕の場合、そのハイライトの表現を楽しむために、高価なレンズを使っているのだとも言える。

 さて、ニコンのAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDを使用するようになって以来、ますます偏光フィルターを使わなくなった。
 使おうかな、と思っても、せっかくの高性能なレンズなのだから、なるべく他のガラスを通したくないと思う。
 そこで、高性能なレンズの性能をなるべく損なわないように、なるべく高品位なフィルターを、とケンコーのZetaシリーズを買ってみた。
 
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〈 kenko 77S Zeta C-PL 〉

 偏光フィルターは、高価な上に傷が付きやすいので、ソフトケースには入れたくない。
 その点、作りのいいハードケースが付属していることは、ありがたい。
 
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 ただ残念なのは、そのケースが大き過ぎること。専用ケースなのだから、もっとギリギリのサイズにして欲しかった。77ミリ径のフィルター用のケースなどは、大き過ぎて収納の場所を選ぶ。
 そして、ケースが案外重い。もっと軽量化ができなかったのだろうか。


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