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水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
ホタルの写真の撮り方 補足分
 昨日、紹介したホタルの写真の撮り方の補足をしておこうと思う。
 
 ホタルをファインダー内で捉えたら、カメラを長時間露光にセットして、まずは絞りを絞ってストロボを発光させホタルの姿を写す。
 次に絞りを開けてホタルの光を写すと書いたところ、
「逆の方がいい」
 と古河義仁さんが書き込んでくださったので、詳しく解説しておこうと思う。

 逆とは、
 まずは絞りを開けた状態でシャッターを押し長時間露光をしてホタルの光を先に写す。
 そして次に、そのままシャッターを開けたまま、絞りを絞ってストロボを光らせる方法である。
 この場合、ストロボはカメラに接続してはならない。なぜなら、カメラに接続するとシャッターを押すと同時にストロボが発光してしまうから。
 だからストロボはカメラに接続せずに、ホタルの光を撮影し終えた後で、ストロボのテスト発光ボタンを押すことで光らせる。
 一方で僕は、先にストロボを光らせるので、ストロボとカメラはシンクロコードで接続してある。
  
 結論から言えば、写真が撮れればどちらでもいい。それぞれの人が、好きな方法を選べばいい。
 僕の方法の方が、手順的には1アクション少なくて済むので簡単になるし、神経を使わずに済む。
 というのも、

1. シャッターを押す(同時にコードで接続されたストロボが光る)
2. 直後に絞りをあけて、あとはただ待つ


の2アクションで完結するから。
 そしてここからが肝心なのだが、僕は、カメラのシャッター速度は、バルブではなくて、20秒にセットしている。というのも、デジタルカメラの場合、シャッターを長時間開けておくとそれだけでノイズが乗ってくる。だから、最初からノイズが問題にならない程度の秒数、シャッターを開けることにしている。

 すると、最初にシャッターを押して、その直後に絞りを開けたら、あとは20秒後にシャッターが閉じるので何もしなくてもいい。
 つまり、カメラを気にする必要があるのは、最初の1~2秒だけで、あとは周囲のホタルが飛び交う景色を眺めて過ごすことができる。

 あとからストロボを光らせる方法の場合、

1. シャッターを押す
2. 絞りを絞る
3. ストロボのテスト発光ボタンを押す

 
 の3アクションになる。
 またその場合、絞りを絞ってシャッターを押すタイミングを計らなければならないから、最初から最後まで、カメラを気にしていなければならない。

 僕は、ホタルはただ眺めていたい気持ちが強く、もしも自然写真が仕事でなのならホタルの写真を撮ることはないだろう。だから、それが可能になる方法を選ぶのである。

 今回僕が撮影した範囲では、ストロボを光らせたからと言って、ホタルが発光を止めたケースはなかった。だから、よりシンプルな方法で撮影したわけだが、ホタルのコンディションによっては発光をやめる場合もあるだろう。
 その場合は、後からストロボを光らせる方法を選択すればいい。
 写真撮影をする場合(写真に限ったことではないが)、1枚の写真を撮るのにいろいろな選択肢があるが、なぜそうするのか?というその人の意図が大切なのである。
 そこに、いろいろな価値観があることが大切なのである。
 

テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

作例写真のあり方

NikonD700 AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED iso800

 インターネット上の公のサイトに撮影機材に関する記事が掲載され、そこに作例があると、それに対して時々、
「写真が下手過ぎる。お粗末すぎる。」
といった内容の書き込みがある。
 そしてそんな書き込みに対して、あるカメラに関するテクニカルライターさんが、
「機材のテストのための作例と作品とは全く別のものなのに、その区別がついていない人がいる。」
 と指摘をしておられるのを読んだことがある。
 機材をテストするために写真を撮るのなら、機材の性能が分かりやすいようなシーンにカメラを向ける必要があり、それは絵になる写真を撮ることとは違う。だから僕も、機材をテストする際には道具の癖が出やすいようなシーンを選ぶし、たとえばレンズをテストする時には、必ず周辺光量の低下の具合が分かりやすいシーンや歪曲収差がはっきりするシーンにレンズを向けてみる。

 一方で、そのライターさんの主張に、僕はどこか同意できない気持ちもある。
 というのは、機材の性能の違いを浮き彫りにすることに最も特化した撮影は、テストチャートを写してみることだが、テストチャートでは分からない部分が間違いなくあるから。同様に、作例作りではなく作品作りをしてみなければ、その機材について語ることなどできないような気がしてならない。
 だから、機材に関する作例は、同時に作品としても成立していなければならないような気がする。 

 僕のテーマは水辺の自然(生き物)なので、水辺で作品作りをする時には特に理想が高くなるし、その結果ただ像が写っているかどうかだけでなく空気感や水の質感までもを表現しようともがくのだが、そんな風にカメラマンが本当に撮りたいものをがんばって撮ろうとしなければ分からない機材の性能がまぎれもなく存在するように思う。
 そして、そんな部分を、多くの機材に関するレポートが、確かに軽視し過ぎているような気がしてならない。 
 

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写真のテーマの絞り方(自然写真編)
_DSC2725.jpg

 僕のような『水辺』というようなテーマの絞り方には、幾つかの難点がある。だから、一般的には僕の真似などをせずに、昆虫だとか鳥などという風に生き物の種類に的を絞ってテーマを決めた方がいいだろうと思う。
 『水辺』のどこか問題なのか?と言えば、水辺には魚もいれば鳥もいるのだから、撮影が水中用~超望遠まで多岐に渡ること。そしてその結果、機材も増えるし、お金もかかる。

 お金に関して言うと、ここのところは株価が乱高下しているが、僕は最初に株価が下がった際に全財産を投入して株を買い、その後、一時的に急激に株価が上昇した際にすべての株を売り抜けたので豊かになったし、そのお金でニコンとキヤノンのすべての高級レンズを買い揃えることにして、先日発注を済ませたばかりだ。
 世間は株価が下がった下がったと問題視しているが、そこにもチャンスがあるに決まっている。
 というのは、もちろん全くの冗談。
 ああ、そんな発言をしてみたいなぁ。
 僕の場合、その全く逆で、なるべく安上がりにするのはどうしたらいいのか、その一点で頭を悩ませている。

 さて、お金がかかることとあと1つ。野鳥~水中まで撮影できる機材を車に積み込み、さらに車の中で寝泊りをしようと思うと、大きなトヨタのハイエースでさえ、場所が足りなくなってしまう。
 そして狭い場所に物を詰め込むと、肝心な時に物がすぐに取り出せなったりして、大変に効率が悪い。
 さらに水中撮影が終わった後は、道具を干さなければならないし、そうなってくると、いろいろ車内の居住性が悪くなり、取材に集中できにくくなる。
 僕はそれを今まで辛抱してきたのだが、この状態をあまりに長く続けていると、水中撮影が、わずらわしさゆえに嫌いになってしまう可能性があるので、今回は機材を整理したり、収納を工夫し、それらの問題を軽減しようと決意した。
 まず手初めに、博多のヨドバシカメラへ出向き、アルミケースの中に入れる中仕切りを購入。上手に、効率よくケースを仕切り、また道具を取捨選択することで、これまでは2つの入れ物に分けてあったものを1つにすることができた。
 そうしてすべての道具を見直してみるつもりだ。
 

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写真の基本は記録
_MG_8754.jpg

 僕は、トンボの撮影に行けば、ついでにそこの景色の写真も撮る。シャッターを押しておけば、生き物たちの写真と一緒に、その景色の写真が使われることがある。
 いつもは、なるべく人工物が入らないように、もしもそこが池なら、その池の特徴だけがよく分かるようや写真を撮る。
 だがそれとは別に、これからは、電線や道路などの人工物も写った、まさにありのままの写真も撮っておこうと思う。

 先日、母校の直方北小学校で、子供たちに写真撮影や本作りを教えた。
 30年ぶりの学校。そして帰宅をしたら、僕は昔の学校の写真を見てみたくなった。
 すると、僕よりも5つ年下の弟の入学式の日に、父が僕たち兄弟3人を並べて写した写真の後ろに写り込んでいた学校の写真が一番良かった。
 ついでに写った景色が、むしろ、ありのままだったのである。
 それが撮られた当時は、学校の景色の写真としては、ほとんど何の価値のない写真だったのかもしれないが、30年の月日がそれを熟成させ、貴重な記録写真へと昇華した。

 写真は、被写体の良し悪しや技術の良し悪しだけではない。それは、僕が普段写真を撮る時に、一番欠けている視点ではないか?と思えてきた。ああ、写真の基本は記録なのだ!と打ちのめされた。

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続・被写界深度に関するネット上の論争。
 先日の記事 「被写界深度に関するネット上の論争」 の答えを書いておこうと思う。
 あるネット上の掲示板で繰り広げられた、85ミリレンズを使用し、f5.6で、20メートルから無限遠までにピントが合うのかどうかの議論。
 ある方は、ピントが合うと主張し、またある方は、合わないとし主張された。ピントが合わないと主張された方は、よほどに自信があったのだろう。ピントが合うと主張された方に対して、
「議論にならない。」
 という言葉を投げかけておられる。

 そのピントが合わないと主張された方の根拠は、下記のURL。
 http://hong.plala.jp/hisya.html
 このホームページの中に、85ミリ、f5.6、撮影距離20メートルと入力すると、確かに、20メートルから無限遠までにはピントが合わないことになっている。

 だが、撮影距離に39メートルと入力しているとどうだろう?
 そこに39メートルと入力すると、ピントが合う範囲は、約19.4メートルから無限遠。つまり、議論にならないと切り捨てた側が実は間違えていて、切り捨てられた側が正しかったことになる。
 ピントが合わないと主張された方の中には、掲示板上でプロを名乗っている方も含まれているのだが、プロにこの程度のことが分らないとは到底思えないので、もしかしたら偽装なのかもしれない。
 
 がしかし、
 「議論にならない。」
 とまで言った人が、もしかしたら間違えているのかもしれないのだから、今の僕だって、自分が気付かないだけで、間違えている可能性がある。
 やっぱり、謙虚さって大切ですね。

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