水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
飼育室
飼育室

 今日は飼育室の改造。狭いスペースで、ちょっとでも手間をかけずに撮影用のモデルである生き物を効率よく飼えるように、思いついた時に時々改良を加える。
 狭くてぼろいプレハブなので、ここでの作業は快適とは言い難いが、いろいろな工夫を施すことで、少しずつ愛着がある場所へと変わりつつある。

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取材のこと(人編)
 昨年、一昨年は、冬の取材はひと月の時間をかけて北海道まで足を伸ばした。北海道には楽しい仲間たちがいて、囲炉裏を囲んでの食事が実にいい。今年は2週間しか時間を作れなかったから、北は宮城までの旅になり、撮影そのものは楽しかったのだが、北海道のみなさんに会えなかった点はやはり物足りないと感じる。
 ただ、山形では僕のホームページを見てくださる方と合流し、一緒に宮城県まで足を伸ばして撮影した時間が楽しかった。
 気がかりだったのは、その時に撮影した写真がどうだったか?ということ。だが、帰宅後にホームページを覗いてみたら、写真がなかなかいい発色をしていたので一安心。

 また、途中で長野県では海野先生のスタジオへと立寄ったことは昨日も書いたが、僕が初めてスタジオに行った時に比べると、随分雑然としていたので驚いた。その大部分はカメラやレンズなのだが、先生によると、上には上がいて、僕が見た程度の物は実は大したことはないのだそうだ。

 僕が写真家になろう!と決意した時、僕の身の回りには一人も自然写真の世界のことを知っている人がいなかった。唯一、父の同級生の弟さんであるNさんがスタジオを経営し、40人近くのスタッフを使い、その世界では名の知れた写真家だったから、話を聞きに行ってみたら、
「そのジャンルで実際に仕事をしている人の話以外は、ほとんど当てにならないと思うよ。」
 とアドバイスをしてくださった。
 そこで、僕は大好きだった海野先生に手紙を書いた。
 海野先生はすでに有名人だったし、僕は恥かしがり屋なので、もしもNさんのそのアドバイスがなかったなら、僕には手紙を書く勇気が出てこなかったような気がする。だから、僕にとって、Nさんのアドバイスは大変にありがたかった。
「写真って不思議なんだよね。我々は女優さんを撮影することがありますが、女優さんはお金をもらいますよね。でも写真館だったら写る人がお金を出しますね。スナップ写真だったら、普通お金のやり取りは生じませんよね。それによってすべてが変わってくるし、同じ写真でも、ジャンルが違えば全然違うんです。」
 それは写真に限ったことではなく、出版だって同様。自分が児童書の世界で仕事をしているからと言って、別のタイプの本がすぐに作れるかと言えば、そうではないように思う。
 生き方や考え方や理念を語り合うことならできるのだが、現実的な作業はそうはいかないのだ。
 人は誰しも自分が役に立ちたいと望むし、その願望をかなえるためにアドバイスをしたがる傾向がある。なのにそこで、
「自分には分かりません。手助けができません。」
 と答えたNさんは、恐らく本物の自信を持っている人なのだろう。海野先生からのアドバイスにしても、本当にその世界でしのぎを削り、結果を出し、いろいろなことを試し生き抜いてきた人だけが持つ説得力があり、僕は聞きたいなとつい思ってしまうのである。
 やっぱり、現場の人はスゴイと思う。

モニター

 以前、僕が道具のことを書いたら、それにずいぶん影響された方がおられたようで、申し訳なくなったことがある。ある日、トンボを撮影中に出会った方が、実は僕の 『EOS5Dは画質がいい。』 という記述に随分やられてしまい、せっかくの休みでしかも高性能なカメラを使用していると言うのに、5Dを買った方がいいのではないか、とトンボの撮影どころではなくなったと聞かされたのだ。
 さて、今日は新しい道具が到着したのだが、なぜこれを買ったのかと言えば、一番大きな理由は、現在使用中のCRTモニターが弱ってきたから。それなら、もうAdobe-RGB対応のものを買った方がいい。
 だが、それが必須か?と言えば、そうではないと思うし、Adobe-RGBに興味がある人でも、今問題なく使用しているモニターがあるのなら、慌てて買う必要は無いように僕は思う。
 製品自体は、非常に優れていると思う。とにかく調整が実に簡単。それと同時に、CRTの良さも改めて感じた。


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取材のこと(食事編)
 取材の時には何を食べているのですか?とよくたずねられるが、僕は朝食を除いてほぼ100%、どこかのお店に入る。
 今回の取材は約2週間だから、昼食と夕食で合計30食くらい外食したことになるが、そのうちの5食くらいは牡蠣フライ定食を食べただろうと思う。僕は牡蠣フライが大好き。
 それから、4食くらいはミソラーメンを食べたのだが、これは日頃の僕にしてみれば、考えられないことだ。福岡県と言えばトンコツラーメン。ミソラーメンなどというのは、普段は食べたいもののリストの中にはまず入ってない。
 ところが、不思議と寒い場所に行くとあれが食べたくなり、逆にトンコツを思い出すことはない。
 それから、他にはマグロを3回くらい食べたはず。
 さて、今回の取材では関西に住む友人宅をたずね、本作りに関して打ち合わせをしたら、夕食は、なんと!彼の手作り。
 打ち合わせの途中で何やら炊事場でジャリジャリやっているので、何をしているのだろう?と思ったら、米を研いでいたようだ。僕の場合、無洗米でなくても無洗なので、これには感心させられた。
 海野先生のスタジオでは、料理はすべて先生が作ってくださったが、シチューが大変に美味しいので驚いた。僕は思わず、
「えっ、これ全部海野さんが作ったんですか?」
 などと聞いてしまったのだが、その味は新宿・中村屋のボルシチと甲乙付けがたかった。

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文明
 車に寝泊りしながら取材をすると、あまり物がない生活っていいなぁと思う。そして、しばらく車に寝泊りしながら取材した後にいつも感じるのは、文明っていいなぁ、町っていいなぁということ。
 ポリシーがない!日和見主義じゃないかと感じる方もおられるだろう。が、僕はそうした体験をいつもとても重視する。
 なぜなら、それが人の多様さだと思うから。
 僕は、人が自然を理解しようとすることを重要なことだと思うが、今はむしろ、文明を理解しようとすることの方が大切ではないか?と感じる。
 当たり前に電気を使うのではなく、あ~、電気ってありがたいなと思えることが。
 その文明に対する感謝の気持ちが欠けていることが、人の傲慢な振る舞いに結びついているように思えるのだ。
 当たり前に文明の利器が使えると思っている人も、文明の利器を嫌っている人も、文明に対する感謝の気持ちが欠けているという意味ではよく似ているのではないか?と感じる。
 
 僕が冬になるとカメラを向けるカモの仲間の場合、全国を回ると餌付けをしてある場所があり、そこにいけば、鳥に逃げられずに近い距離で写真を撮ることができる。
 一方で、石川県の片野鴨池のように、遠くからガラス越しに観察させるようにして、鳥と人とを隔離している場所もある。
 そして、カメラを持って自分がそれらの場所を取材してみると、それぞれの場所に、それぞれの意義があると僕は感じる。
 鴨池のように、野生のものを野生のままに観察できる場所はとても大切。だが、実際にそれらの場所を訪れる人たちの様子を観察してみると、もうすでに自然にある程度以上のめり込んでいる人たち以外は、実に退屈そう。
 その点、餌付けをしてある場所は、子供たちだけでなく、おじさんやおばさんも楽しそうで、敷居が低い。
 餌付けが正しいとか間違えているなどという議論は、なんだかナンセンスに思えてくる。全国が餌付けだらけになるのは困るが、餌付けをしてある場所だってあってもいい。
 写真撮影だって、餌付けをしてある場所ならばでの楽しさもあれば、餌付けられていない生き物にカメラを向ける楽しさもある。
 よく、日本人ははっきりしないと批判されるようだが、僕は、そんな日本人が好きだ。

ひなびた山陰の漁村にて
漁村の風景

サメの干物。山陰の漁村でウミネコやトビの撮影。


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山陰へ
鳥取砂丘

鳥取砂丘へ

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湖北にて
琵琶湖

琵琶湖にて。北陸から西へ向かうと、福井の途中から突然に関西になる。

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新潟を発つ
新潟風景

新潟で午前中にハクガンを探した後、滋賀へ。

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ハクガンを見た!
新潟まで移動。今日は珍しいハクガンを、しかも群れで見ました。興奮。
詳しくは、http://www.takeda-shinichi.com/ をご覧ください。

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北陸へ
兵庫、富山と撮影しました。明日は長野へ向かいます。
長期取材中は http://www.takeda-shinichi.com/ をご覧ください。

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今日の撮影地
長期取材2日目。今日の撮影日記は宍道湖のマガンです。
詳しくは、http://www.takeda-shinichi.com/ をご覧ください。

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お知らせ
 明日(7日)からしばらく取材に出かける。車の中に寝泊りしながら、約2週間、水鳥たちを撮影する予定。実は今回は、あまり細かい計画を立てていないのだが、可能なら山形県まで行ってみようと思う。

 撮影日記に関しては、ブロードバンドがない環境でホームページとブログとを同時に更新するのは通信料がかかり過ぎるので、ホームページのみを更新する予定だ。しばらくは、http://www.takeda-shinichi.com/を見て欲しい。

野鳥の写真
マガモ

 先日、
「野鳥の写真もいずれどこかで形にしたい」
 と書いたら、ある方がカモの企画を考え、声をかけてくださった。ありがたいことだなぁ。
 しかも、その内容は、僕がやってみたいことによく一致する。僕がやってみたいこととは、夏と言えばカブトムシの写真が次々と売れるように、冬と言えばカモの写真がよく動くように、自分で出版の世界の定番を作ること。
 カモは冬の風物詩ではあるが、残念ながら今のところ、出版とはあまり結びついていないように思う。冬の出版の時期になったらカモの写真がバンバン動くなどという話は聞いたことがない。本当は野鳥の写真家がそんなことをやればいいと思うのだが、野鳥の写真を撮る人は、それよりも己の世界を極めることだけに興味がある人が多いように思う。
 カブトムシの場合、写真の用途は児童書だから、子供たちのアイドルという位置づけになるのだろうが、カモは、どんなコンセプトで売り込んだらいいのだろう?
 僕は、幼児向けの児童書の世界でたくさん仕事をしているのだから、カモが冬の児童書の定番になるように、児童書向けの写真を撮るのはもちろん、他にも、大人向けのもので、季語的な存在として売り込むこともできるだろうなぁ。すると、それはそれなりの写真の撮り方があるだろう。
 カモに限らず、季節の風物詩という切り口で、金魚やその他、生き物の写真がもっと流通するように働きかけていきたいのである。
 ともあれ、さっそくサンプル画像を送ろうとしたら、ちょうど一年前の長期取材の写真がまだ半分ほど未整理であり、なかなか肝心な写真が出てこない。
 いかんなぁ~。

(撮影機材の話)
 カモには、金属光沢に近い質感の羽毛のものが存在する。そしてその色合いは、僕のパソコン上ではなかなか再現することができない。フィルムを使用していた時からそうだったので、元々出にくい色であることは間違いない。
 だが、他にも、その原因は僕のパソコンのモニターにもあるのだろうなぁと思う。僕は一般的なs-RGB対応のモニターを使用しているが、Adobe-RGB対応のモニターがあれば、その手の被写体に関しては、もう少し色がよく見えるに違いない。
 カモの場合はまだいい。s-RGBのモニターでも、経験さえあれば、支障はなく仕事はできる。
 だが、先日から撮影している金魚は、種類によっては赤が僕のモニター上ではなかなか再現できず、画像の処理に大変に手間取り、今のところそれを保留している。
 金魚の場合は、その赤が生命線なのだから、僕ははじめて、Adobe-RGB対応のモニターしかないかなぁと感じるようになった。長期取材から帰宅をしたら、それを一台調達しようと思う。

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準備
飼育棚

7日からしばらく取材にでかけるため、ここのところは、その準備で忙しかった。
 まずは、アメリカザリガニの撮影に区切りをつけること。これは当初なかなか上手く事が運ばず、下手をすると今回の取材が中止になる可能性だってあった。
 現実に、この冬予定していた2つの長期取材のうちの1つ、韓国で予定していた水鳥の撮影は中止せざるを得なくなった。
 だが、その後は調子もあがり、依頼されていたほぼすべてのシーンを完璧に撮影でき、日本での取材に関しては、なんとか時間を確保できた。

 それから、写真の貸し出しの仕事。
 写真は、貸し出したからといって絶対に使用されるわけではない。だから最初はまずサンプルを提供し、使用が決まってから本物のデータを送るケースが多いが、留守の間にデータを送ってくれ!と求められても、応えられないので困る。
 そうなると僕の売り上げが少なくなるだけでなく、相手にも大変な迷惑を掛ける。担当者は新しい写真を大急ぎで探したり、それに伴ってレイアウトが変わったり、時にはストーリーまでもを変更しなければならないだろう。
 そこで先方に事情を話し、写真の使用の有無に関わらず、あらかじめすべてのデータを送っておくことにしたのだが、今年は非常に写真の貸し出しの依頼が多く、その作業に大変に手間取った。

 それから、生き物の飼育。
 飼育は、留守の間、アルバイトの人にお願いをするが、そのためには、飼育室を分かりやすく整理しておかねばならず、今日はそのための作業だ。
 一番気がかりなのは、水槽の中に入れてあるヒーター。ヒーターは、下手をしたら火事の原因になる。だから、どうしても必要な3つの水槽をのぞいて、他のすべてのヒーターはコンセントを抜いておくことにした。
 実は、つい先日、新たに一匹のアメリカザリガニのメスが卵を産んだ。だが、そのメスが入っている水槽のヒーターも電源を落としたのだが、その結果卵がどうなるかに関しては、2つの可能性が考えられる。
 1つは、温度変化の結果、卵が死んでしまう可能性。
 そして、あとの1つは、温度が低くなった結果、卵の成長が遅くなり、2週間の取材から帰宅してもまだ卵のままで残っている可能性。後者の場合、春になる頃に卵が孵るはずだから、帰宅後にアメリカザリガニをまた撮影できる。
 最初に書いたように、今回のアメリカザリガニの仕事は、なかなかいい結果が出ているのだが、その場合は、それにだめを押すことができるだろう。

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自分らしさ
ザリガニ脱皮殻-1

アメリカザリガニは、自分の腹部に卵を抱えて守る。
 その後、卵が孵化をすると、子供たちはしばらくその腹部に留まり、親の背中の上に乗っかってみたり、辺りを散歩したり、また親の腹部に戻ってくることを繰り返す。
 一方でメス親は、子供たちがある程度大きくなるタイミングで、脱皮をすることが多い。今シーズン僕がカメラを向けたメス親も、つい先日古い殻を脱ぎ捨てたが、するとそれが親子の別れになる。
 子供たちは脱皮殻の周囲には集まるが、抜け出した親の本体にはほとんど興味を示さない。子供たちの目に、親の抜け殻はどう映るのだろう?

ザリガニ脱皮殻-2

 脱皮した親をそのまま水槽に入れておくと、親は抜け殻を食べてしまうが、今回はメスを水槽から取り出し、脱皮殻の方をそのまま置いておくことにした。
 すると、子供たちが少しずつ抜け殻を食べ、今日は殻の尾っぽや脚がバラバラになった。
 写真には大きく分けると2つの撮り方があり、1つは被写体そのものを写すような撮り方。
 そしてあとの1つは、写真に自分の内面を写し込み、写真を通して自分自身を表現するような撮り方だ。写真の世界でアートという言葉が使われるのは、大抵は、自分の内面を表現している写真に対してであり、写真がきれいかどうかで、アートかどうかが決まるわけではない。
 抜け殻にしがみつく。そして、やがて、その抜け殻への興味は少しずつ薄れ、今度はその抜け殻を食べ始める。
 それに自分を重ね合わせてみることだってできるし、そんな世界だってある。

 だが僕は、アートの世界には、ほとんど興味がない。僕が表現したいのは自然そのものであり、自然を通して人間社会に対して自分の意見は言うが、伝えたいのは自分の内面ではないし、それこそが僕の自分らしさなのである。
 自分らしさを勘違いしている人は多いように思う。俺は!俺は!私は!私は!と主張することだけが、自分らしさだと勘違いしている人たちだ。その手のオレオレは、大抵はただの我ままであり、自分らしさでも何でもないことが多い。
  
 さて、なぜ、抜け殻の方を水槽に残し、抜け出した親の本体を水槽から出したのか?と言うと、ザリガニの子供は、どうやって親を認識しているのかを知りたかったからだ。
 たとえば、ザリガニの子供は親の背中でよく遊ぶが、それは殻でもいいのか、それとも中味が詰まったザリガニでなければならないのか?
 もしも中味が詰まったザリガニでなければならないのなら、親のどの部分をみているのか?親の動きなのか、何か合図でも出しているのか・・・・。

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