水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
被写界深度に関するネット上の論争。
 85ミリレンズを使い、f5.6で、20m~無限遠までピントが合うかどうか、という論争が、ネット上のある掲示板で繰り広げられた。
 そして、その結論は、ピントは合わないといもの。
「ピントは合う。」
 と主張したI氏に、
「ピントは合わない。」
 と主張した匿名希望氏。
 
 I氏は、恐らく、理論的な裏づけがあったわけでも、厳密なテストをしたわけでもなく、自分の経験的な直感を語っておられるように、僕は感じた。
 そして、匿名希望氏の主張を裏付けるデータを、掲示板の管理人さんが示した(2008年 8月27日(水)13時52分37秒)ところで、論争は終わったように見える。
 
 だが僕は、直感的に、匿名希望氏と管理人さんの主張は間違えていると感じた。自分の過去の経験から、その条件で、ピントが合うよう気がすると。
 そこで、管理人さんの示した根拠をよく読んでみると、管理人さんに間違えがあることが分った。
 さて、みなさんは、どこがその間違えなのか分りますか?
 解き方は、ただ単に管理人さんが示した根拠となるホームページに、レンズの焦点距離と絞りとピントを合わせる距離を入力するだけ。すると、85ミリレンズ、f5.6の時、約19.4メートルから無限遠までピントが合います。
 ヒントです。みなさんは、無限遠にピントが欲しい時、どこにピントを合わせますか? 


 時々、
「ネットの力はすごぞ。ネットをなめるなよ。」
 という方がおられる。
 確かに、情報ということに関しては、まさにその通りだと思う。
 が、議論をするということに関しては、僕は、ネットなんてつまらない、と思う。
 私はプロの写真家だ!と主張しておられる方が、実はプロでも何でもない、というようなことは、日常茶飯事ではないだろうか?僕は、相手の顔が見えていなければ、面白くないと感じるので、今はネット上での議論には加わらないことにしているのだが、それはあくまでも僕の好みなので、誰か答えが分った人は、掲示板の議論に参加してみるのも、いいかもしれない。

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AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G ってどうなんやろう?
 ニコンD700を購入して以降、ずっと買おうかなぁ、と迷っているレンズが、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G。
 用途は、飛翔中のトンボと風景の撮影。

 うちには、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8GとAi AF-S Nikkor ED 300mm F4Dがあり、70ミリから300ミリまでをカバーできるのだが、300ミリが手ブレ補正レンズではないのと、この2本を同時に持ち歩くと機材が大変に重たく、そしてかさばるのが問題。
 そこで、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8Gに1.4倍のテレコンバーターをテストしてみたのだが、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8Gは元々あまりシャープというわけではないので、テレコンバーターを取り付けると、甘いなという印象。

 でも、300ミリでf5.6は、飛翔中のトンボへのピント合わせの際にちょっと暗いかな?とも思うし、そもそも、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6Gの性能って、どうなんだろう。
 本当は、100~300f4、手ブレ補正付きの高画質なズームが発売されば、それが僕にとっては理想なのだが・・・。
 100~300f4って受けないのかな?D3を使う報道カメラマンが増えるのなら、とても便利なレンズに思えるのだが。

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ピクチャースタイルとピクチャーコントロール
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 インターネット上のカメラ関係の掲示板を眺めていると、時々プロと称する人が、
「このカメラの画質には問題がある。使い物にならない。」
 とか、
「このカメラの画質でみなさんは満足しておられるのですか?」
 などと書いておられるが、馬鹿じゃなかろうか、と思う。
 僕は、恐らくそうした書き込みの大半は、カメラオタクがプロのふりをしているのだろうと推測する。
 今市販されているデジタル一眼レフは、どれをとっても一般的な印刷の際には十分過ぎる実力を持っているのであり、少なくとも、ちゃんと仕事をしているプロなら、そんなことは100も承知のはずだから。
 僕が貸し出している画像の場合、ニコンのD70で撮影されたものとキヤノンのEOS5Dで撮影されたものとが多く、それらが混ざり合っているが、正直に言うと、D70と5Dとの差が出ない。カメラによる画質の差よりも、その時々の印刷のクオリティーによるばらつきの方がはるかに大きいのである。

 ただ、部分部分を見れば、ここはニコンの方がやりやすい、とかキヤノンの方が扱いやすいなどという違いは、確かにある。
 僕はニコンのカメラが好きだが、キヤノンの方が優れているな、といつも感じるのは、ピクチャースタイルやピクチャーコントロールの出来だ。
 簡単に言えば、キヤノンのピクチャースタイルの方が万能。どんなシーンにカメラを向けても、手堅い色を出してくれる。
 僕は念のためにほぼ100%RAWで撮影しておくが、大抵は、DPPで特に画像を扱うこともなく、そのまま現像すれば、すぐに仕事に使えるレベルの画像が得られる。
 それに対してニコンのピクチャーコントロールは、時に、「え?」というくらいに違和感のある色になってしまうことがあり、特に特殊なシーンの場合、そんな傾向が強いように思う。
 もちろん、そんなケースでもRAWで撮影しておけば、あとで好みの色を導きだせるのが、キヤノンの方が手軽であることは確かであるように思う。
 今日の画像は、洞窟内を撮影したものだが、洞窟のような特殊な環境で写真を撮る場合は、だいたいキヤノンのカメラを持っていくことにしている。

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デジイチのゴミなんて、大したことがない?
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 魚は糞をする。しかも、結構短い間隔で糞をする。
 だから、白バック撮影を試みると、その白の背景があっと言う間に糞で汚れることに悩まされる。

 対策としては、前日から餌を抜いておく方法がある。
 だが餌を抜くと、お腹をすかした魚たちは、水槽の中に生えた苔や水中の微生物などを食べ、やはり糞をするので、餌を抜くだけでなく、水槽の苔を落とし、透明な水を注ぐなど、たかが白バック撮影が実に面倒だ。

 糞をする前に写真を撮ればいいじゃないか、と考える方もおられるだろうが、撮影用の水槽に入れた直後の魚は、気持ち良さそうには泳いでくれない。
 だから、魚がその環境になれるまで待たなければならないが、すると、すでに水槽は糞で汚れてしまっている。
 
 デジタルカメラになってからは、多少の糞なら、ソフトを使って消すことができるようになった。
 デジタル一眼レフのセンサーに付着するゴミは、多くのカメラマンを悩ませているが、僕が消さなければならない糞の量に比べれば、センサーに付着するゴミなど、実にかわいらしいものだ。
 どうせたくさん糞を消さなければならないのだから、センサーに付着したゴミなんて、もうどうでもいい!と投げやりな気持ちにもなる。
 今日は、あえて糞を消す前の画像を載せてみることにした。これでも、水槽に魚を入れて、そんなに時間がたっていない、まだきれいな状態だ。

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本の紹介 『 東京昆虫デジワイド 』 
東京昆虫デジワイド東京昆虫デジワイド
(2007/07)
糸崎 公朗

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 9月に母校の直方北小学校で授業をすることになっているので、ここのところ、その時に何をすべきか、検討を進めている。
 僕は、だいたい適当な人間であり、人の話の聞き方も悪いので、その企画がどんなコンセプトで、どこの協賛を得て、どこからお金をもらうのかなどはよく覚えていないのだが、自然ではなく、アートの企画だったので、引き受けてみることにした。

 僕の場合は、自然に関する話を求められることが多いのだが、子供に対するその手の話は、たいがい断ることにしている。
 理由は、学校や授業という場はどうしても教条的だし、自然の話をしようと思っても、道徳の話とか社会の話の方へと結び付けられがちだから。
「命の大切さを知りましょう。」
 とか、
「自然を愛しましょう。」
 とか、
「こんなに自然が破壊されていますよ。」
 というような見方を求められがちだから。
 その点、アートの企画なら、その手の話に巻き込まれずに済むと考えたのである。

 学校で授業をするために、いろいろと思いを巡らせてみると気になる本が一冊あった。それは、糸崎公朗さんの『 東京昆虫デジワイド 』だった。
 虫好きで、この本を知らない人は、もしかしたらモグリかもしれない。
 この本の中には東京の街中で撮影された昆虫の写真が掲載されているが、いったい糸崎さんは何を言おうとしているのか、それが知りたくなったのである。
 そして僕は、こう読んだ。
 まず、本の中では、
「自然とは、人の意志が加わらない状態である」
 と定義されており、だから、たとえ背景が東京の町中であっても、これはまさに自然写真である、と主張されている。
 いや、それは僕がそう読みたいだけで、糸崎さんの意図は別にある、という可能性もあるが。

 それはともあれ、この本に写っているものと正反対の存在が、今流行りのビオトープだ。
 ビオトープは、一見自然なのだが、実は大変に人工でもあり、時には、そこに住むことが許される生き物と、許されない生き物とが区別されていたりする。
 ビオオープを、否定したいわけではない。それはそれで楽しい遊びだと思うが、それが自然だと思い込んだり、そう子供たちに教えるのは、大間違いであるような気がする。
 里山や田んぼだって同じ。先日、友人が、
「田んぼを自然だと思い込んでいる人がいる。まさに人工なのに・・・・がっかりさせられる」
 と語ってくれたのだが、僕も全く同感。
 里山とかビオトープがブームになり、それこそが正しい自然との接し方だと思われると、僕は、大変な違和感を感じる。
 
 さて、野山に比べれば少ないとは言え、糸崎さんの本に写っているように、東京の街中にもそれなりにたくさんの虫がいる。
 なのに、それが多くの人の目には見えないのはなぜだろう?
 もしも、学校で子供たちに、
「自然が破壊され、生き物たちがいなくなっているよ。人間ってひどいことをしているね。」
 とだけ大人が教えるのなら、町は生き物が住んでいるはずがない場所なのだから、そこに住む生き物は見えなくなってしまうのかもしれないなぁと思う。
 子供たちに自然を語る際に、道徳とか社会の話をあまりたくさん持ち込みたくない理由は、そこにある。それによって、逆に自然を見せないようにしているのでは?と思わなくもないのである。

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切り抜き写真とは
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 まだ学生時代に、
「僕もプロの自然写真家になりたいのです!」
 と初めて昆虫写真家の海野和男先生の事務所を訪ねた日、先生は電話を片手に、ファックスと格闘中だった。
 電話の相手は出版社の人で、話の中身は、
「テントウムシの切抜きができる写真を貸して欲しい。」
 という写真の貸し出しの依頼。
 当時は電子メールなどという便利なものがなかったので、先生は、
「この写真でどうですか?」
 と紙に印刷された写真をコピーし、ファックスで送ろうとしておられた。
 が、ファックスでは写真が黒くつぶれてしまい、相手はなかなか判断できない様子だった。

 僕の場合も、
「切抜きができる写真を貸してください。」
 という依頼は結構多い。
 切抜きとは、写真の中から主要な被写体の部分だけをまるでハサミで切り抜くかのように取り出すこと。
 確か、その時海野先生が相手に見せようと試みていた写真は、比較的シンプルな葉っぱの上にテントウムシがよく見えるように止まった写真で、確かに、テントウムシの部分だけを切抜きができそうな写真だったように記憶している。
  

 一般的に、切り抜き用に一番いいのは、白の背景の上に被写体をおいて撮影した白バックと呼ばれる写真で、僕は毎年数え切れないくらいたくさんの白バック写真を撮る。
 最近は白バック写真には、ニコンのD3を使うことが多い。
 厳密に比較をしたわけではないのだが、キヤノンのEOS5Dよりも、白バック写真はD3の方が好結果が得られることが多いような気がするのである。
 いずれ暇な時にでも、それを検証してみようと思う。

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アメリカザリガニの脱皮を待つ
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 飼育中のアメリカザリガニに、脱皮の予兆が見られる。そこで、とにかくその瞬間の写真を撮っておくことにした。
 実は、脱皮の写真はすでに持っているし、新しい写真が今すぐに必要というわけではない。
 が、脱皮や産卵などというシーンは依頼されてから準備をして撮影するのは大事であり、たまたま簡単に撮影できる時に写真を撮っておくに限る。
 
 ザリガニを入れた水槽をビデオで撮影し、その映像をパソコンのモニターに映し、ザリガニの脱皮が始まるのを待つ。僕は片目でそれをチェックしながら、隣のパソコンで事務的な仕事を進める。 

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取材車 トヨタ・ハイエース
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 僕は、取材の際は、大抵車の中で眠るし、これまでで一番多い年には、年間に180日ほど車の中に泊まった。だから、車はとても大切な撮影機材の1つだし、僕には、車に対してそれなりにこだわりがある。
 そして、トヨタのハイエースは、取材用の車としては最高だと思う。
 まず何と言っても極端に故障が少ないし、メインテナンスの際にも、部品の値段が安いので、経費を低く抑えることができる。

 ハイエースを購入する前は、三菱のデリカスターワゴンに乗っていたのだが、まぁ、故障が多いこと。そして、部品や整備費用が高かった。
 デリカは、整備がしにくい構造になっていて、ヘッドライトの玉を1つ交換するのに、バンパーをはずさなければならなかった。
 また、寒冷地仕様の車は、バッテリーに水を足すためだけに、バッテリーを車から降ろさなければならなかったし、多分エンジンルームの熱が逃げにくい構造になっていたのだろう、バッテリーの痛みも非常に早いなど、時間も、お金もたくさん取られた。
 デリカは、足回りがごつく、悪路に強そうだという理由で、僕は合計で4台を乗り継いだが、すべて同じ。ごつい見た目とは裏腹に、走行距離が15万キロをあたりがデリカの寿命かな・・・という感じだった。
 僕は当時は、車はそんなものだ、と思い込んでいた。

 だが、やがてデリカスターワゴンが製造中止に。そこで、ちょっと大きすぎるのは気になったが、四駆のハイエースを選んだら、これが非常に良かった。
 なぜ、トヨタが売れるのか、乗れば乗るほど、分かってきた。

 そのハイエースが、昨日、初めてトラブルを起こした。が、走行距離15万キロにして、初めてのトラブルであり、しかも走行には支障がないものなので、仕方がないだろうと納得できる

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ニコンD3を使う理由
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 ニコンD3と言えば高感度の画質がずば抜けていいカメラであり、光の条件が時に厳しい場所で使うカメラだというイメージがある。
 だから逆に、光をコントロールできるスタジオで使う道具という印象はないが、僕はここのところ、いつの間にかD3をスタジオで使うことが多くなった。

 その理由は幾つかあるが、まずは、以前にも書いたように、記録メディアが2枚入ること。
 スタジオでの撮影は楽しみの要素が少なく、仕事的。だから、機材のトラブルで写真が撮れていなかった場合は、がっかりするを通り越して、投げ出したいという気持ちになってしまう。
 その点D3は、そうしたトラブルの確率が、今存在するデジタルカメラの中で、恐らく一番低いカメラだろうと思う。

 それから、ニコンには100ミリクラスだけでなく、50(60)ミリクラスにも、優れたマクロレンズが存在することも大きい。
 時々、50ミリクラスと100ミリクラスのレンズで同じ被写体を撮り、どちらのレンズの方が高性能だ、などと語る方がおられるが、それは実にナンセンスな話。レンズの性能は、被写体との距離によっても違ってくるし、レンズによって得意な距離があり、100ミリの方がいい描写をする被写体もあれば、50ミリの方がいい被写体もある。
 比較的大き目の被写体を、ビシッと描き出したいようなケースでは、ニコンの60マクロは実に素晴らしい描写をする。

 そして3つ目は、ニコンキャプチャーNXの存在。
 僕は、ニコンキャプチャーNXが、ややこしい感じがして当初好きになれず、仕方なく使っている感が強かったのだが、少しずつ慣れ、少しずつ使いこなせてくると、逆に、ニコンキャプチャーNXの威力を思い知らされるようになった。これはすごい機材だ!と。
 僕の場合、99%以上RAW撮影なので、僕にとってRAW現像ソフトは、カメラの性能の一部なのである。 

 さて、スタジオで金魚の写真を撮った。今日の画像の一番下に写っている金魚は、尾の形が実にいい。
 金魚マニアのみなさんは、そうしたいい形の魚だけを残し、そうではないものを処分し、最終的には、1つがいの親が産んだ数千匹の子供の中から数匹が残れば上等といった感じになるようだ。
 だが、僕が今作ろうとしている本では、
「1つがいの親から、いろいろな形の魚が生まれるよ。」
 というページを作りたい。
 すると、マニアのみなさんのように魚を処分して数を減らすことができないので、魚が大きくなるにつれて、どんどん新しい容器を設置しなければならない。
 その作業に、僕は今、苦しめられている。 

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ESO5Dを使う理由。
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 写真界にはたくさんのジャンルが存在するが、自然写真は、その中では、やはり少数派なんだろうなと感じることが多々ある。
 例えば、各メーカーのレンズのラインアップがそう。
 小さな生き物を広角レンズで撮影するためには、被写体に近づかなければならないが、接写ができる広角レンズはほとんど存在しないし、メーカーはそんな使い方を最初から頭に入れていないのだろうなぁと僕には思える。

 35ミリ判換算で20~25ミリクラスのレンズを考えてみると、接写可能な広角レンズは、ニコンとキヤノンには一本もない。
 また、オリンパスのEシステムに至っては、短焦点の広角レンズがそもそも存在しない。
 そこで、オリンパスのプロサービスの方にたずねてみたのだが、短焦点の広角は売れないので、発売される見込みはまずないという。万が一、それが発売されるとしたら、何かヒット作が生まれ、会社にたくさんのお金が入った時だろうと。
 特に、短焦点レンズは、海外で売れないのだそうだ。カメラメーカーは、海外での売り上げの方が圧倒的に大きく、そこに合わせざるを得ないのだそうだ。

 僕は今、接写が効く広角レンズとしては、コシナが販売しているカールツァイスのディスタゴン25ミリと古いOM21f2を使用しているが、この2本のレンズを両方取り付けることができるカメラは、キヤノンのEOS5Dしかない。
 いや、厳密に言うと、EOS40Dにも付くがレンズの画角が変わってしまう。またEOS1Dsシリーズにも付くが、カメラの底の部分が飛び出しているので、地面の上の生き物を撮影する際に目線が下げられないので、使い物にならない。
 先日、キヤノンを使う理由として、高性能で軽いレンズの存在をあげたが、他には、そんな理由がある。


 シグマにも、接写可能な20ミリと24ミリが存在するが、ボケが悪くてちょっと使いにくい。
 時々、僕の所にマニアックなトンボの写真の注文が来るので、
「なぜトンボマニアの人から写真を借りないのですか?」
 とたずねてみると、
「彼らの写真はやたらに絞りが絞られていて、背景の処理が全くなっていないので、使いにくいのです。」
 という答えが大抵返ってくる。
 ボケはそれなりに大切。 
 また魚眼レンズも同様で、画面のゆがみが嫌われてなかなか写真が使われない傾向にあり、魚眼と広角で撮影した写真を両方渡すと、広角で撮影した写真が使われる傾向にある。
 ただ、自分の本を作るようなケースでは、ある程度自分の好みで写真を選べるので、魚眼の写真を使うことも可能だから、僕は、魚眼レンズについては、自分が作りたい本の1ページを具体的にイメージしながら使うことが多い。
 
【 キヤノンEOS5D+ディスタゴン25ミリ 】

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ニコンD700とEOS5Dの使い分け
 今晩から、熊本県へと撮影に出かける。今回は、ニコンのD700ではなく、キヤノンのEOS5Dカメラを持っていくことにした。

 EOS5DとD700の使い分けだが、キヤノンには、優れた描写であるにもかかわらず、比較的軽量のf4のズームレンズがあるから、長距離を歩く場合はやはりEOSを使いたくなる。
 特に、 70~200f4 ズームの描写と軽さは大変にすばらしいと思う。
 僕はニコンの 70~200f2.8 ズームも所有しているが、このレンズはAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したカメラで使う分にはいいと思うが、35ミリ判フルサイズセンサーのカメラに取り付けた場合は、周辺の画質があまりに悪過ぎる。

 僕は、EOS5Dを初めて使った時に、フルサイズセンサーの画質の良さには驚かされたし、いずれニコンもフルサイズセンサーのカメラを出さざるを得なくなると感じた。
 だが、業界関係者には、
「いや~、武田君、ニコンは出さないよ。」
 という人が多かったのだが、70~200f2.8ズームの周辺の画質を考えると、確かに、ニコンは出さないつもりだったのかもしれない。

 ただ、キヤノンの70~200f4 ズームも完璧ではなく、飛翔中のトンボのような動体を撮影する場合は、ピントリングの操作性が悪く、非常に使いにくい。
 その点、ニコンの70~200f2.8のピントリングの出来は絶妙の一言。トンボの飛翔はさすがにAFでは撮れないので、それにすいすいピントを合わせるためには、ントリングの出来が非常に重要。

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D700の内蔵ストロボを使いこなす。
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 僕の場合、新しいカメラを買うと、しばらくはそのカメラをより使いやすくするための工作など、工夫のための時間が必要になる。
 今日は、ニコンD700の内蔵ストロボをより良く使いこなすための工作。
 先日大分県で、ニコンD700を使ってトンボを撮影し、その際には、内蔵ストロボがとても有効であることを実感したが、多少工夫をしなければ、やや使いにくい面もあることが分かったのである。

 さて、僕はカメラの内蔵ストロボを接写に使用する際には、7月27日に紹介したように、古いミノルタ製のアクセサリー(画面右上)を取り付けることが多い。 
 そして今日は、そのミノルタのアクセサリーに、さらに一枚、乳白色のアクリル板(画面左上)を追加して貼り付け、内蔵ストロボの光を拡散するためのアクリル板が2枚重ねになるようにした。

 アクリル板を2枚重ねる理由は、光量を落とすため。
 僕は、ニコンD700の内蔵ストロボを、主に15センチ~25センチくらいの広角レンズによる接写に使いたいのだが、すると被写体との距離が近すぎて、小さな内蔵ストロボの光でさえ、やや強過ぎ傾向があるから。
  
 そして、アクリル板越しの光は、赤くなる傾向がある。
 だからそれを防ぐために、2枚重ねにしたアクリル板の間にブルー系のLBフィルター(画面下・左)を挟み込み、ストロボの色を整えた。
 LBフィルターは、写真用ではなくて、ビデオの照明にかぶせるためのものがいいだろう。写真用は、レンズの前に取り付けられるように高品位に作られているので高価だが、ビデオの照明用ならとても安い。
 
 最後は、カメラの内蔵ストロボをそのアクセサリー越しに発光させ、それを色温計で測定し、色の偏りがないことを確認する。
 色温計は高価なので、とても購入できないという方もおられるだろう。そんな方は、ストロボにディフューザー(乳白アクリル、トレーシングペーパーなど)を取り付ける際には、ブルー系のLBフィルターの一番色が薄いものを使えばいいだろう。 

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ニコンD700 ピクチャーコントロールの設定
 軽い気持ちで取り掛かった金魚の本作り。だが実はそこに落とし穴があり、数時間おきの餌やりや水替えに翻弄され、野生の生き物の撮影がほとんど出来なくなってしまった。
 だが、金魚の子供たちも大きくなり、小まめな世話は不要になってきた。一泊くらいの撮影旅行なら、ほぼ問題なく出掛けることができるようになった。

 そこで、ニコンD700を持って、大分県の山間部に出掛けてみた。
 何か目的とするシーンがあったわけではなく、今回は、ニコンのカメラをメインの機材として本格的に使いこなすためのテスト撮影が中心だ。

 僕はフィルム時代には35ミリ判はニコンを使っていたし、デジタルになってからも、ニコンのD70やD2Xを愛用していた。
 だがその後、キヤノンがEOS5Dという、フルサイズセンサーを搭載し、かつ現実的な価格のカメラを発売した際に、メインの機材をキヤノンに変えた。
 そして、久しぶりにニコンを使ってみると、以前のニコンとは別物であり、多少のテスト撮影の必要性を感じた。特に、ピクチャーコントロールが、どうもしっくりと来ないのだが、恐らく同じような感想を持っている人が少なからずいるのではないだろうか。
 
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 さて、僕にとって大切なのは緑の発色。
 早朝、まだ日が差し込む前の水辺で、トンボにカメラを向け、いろいろと試してみたのだが、追い求めるイメージは、やや青みがかった早朝の光。僕の好みはピクチャーコントロールをニュートラルに設定し、

 1.明るさを-1
 2.色の濃さを+1
 3.色合いを+1
 
 にした状態だった。自然と言えば、カメラの設定はビビッドという先入観があったのだが、ビビッドに設定すると、とんでもなく派手な色になってしまう。
 
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 それから次は、レンズのテスト。
 ニコンのVR105マクロレンズは、巷の評判では「ボケがいい」とされているが、僕はそんなにボケがきれいなレンズだとは思わない。
 ボケは大きいのだが、何だかワサワサした感じ。ボケの美しさは、タムロンの90ミリやキヤノンの100マクロの方が上だろう。
 ただ、手ぶれ補正はやはり威力がある。マクロ域では、あまり効果がないとされているが、間違いなくあった方がいい。
  
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 そして3つ目は、内蔵ストロボのテスト。
 内蔵ストロボは、思った通り大変に効果的。
 ただ、状況によってはオート+露出補正があまり通用しないケースがあることが判明。だから、ちゃんとマニュアルでデータを取っておく必要がある。
 ただ近接撮影の場合、マニュアルで最小の光量に設定しても、なお光が強過ぎるので、NDフィルターを貼り付け光量を落とし、さらにその際の色の変化を防ぐために、LBフィルターを重ねて貼り付ける加工をほどこした上で、次の撮影にでかけようと思う。

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ニコンD700の初仕事
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 僕の場合、新しいカメラを購入した際には、野外での撮影に使用する前に、まずはスタジオで使ってみることが多い。今日は、現在飼育~撮影中の金魚の子供にカメラを向けてみた。
 金魚は、生まれてしばらくは黒く、その後、少しずつ色が変化し、あの鮮やかな色になるのだが、今日の画像の魚は、ちょうどその色の変化の最中のもので、黒がかなり抜けている。

 現在の色合いから判断すると、この魚は、白い魚になるのだろうか?目の上の辺りには少しオレンジ色が滲んでいるから、そこだけは赤くなるのかもしれない。
 金魚の本を作る、といっても僕は金魚に関しては全くのど素人なので、そこのところの先を読む能力はないが、逆に、だからワクワクして面白いという面もある。現在飼育中の約10000匹の金魚は、それぞれどんな色になるのだろうか?

 さて、金魚の写真は、これまではすべてニコンのD3で撮影してきたが、D3と比較すると、D700の反応は若干落ちると感じた。
 が、D3以前に使用していたキヤノンのイオス5Dに比べると、格段にいい。

 ただ、ネット上の掲示板の書き込みなどに目を通してみると、
「イオス5Dは反応が悪くて、動体の撮影には使い物にならない。」
 というようなことを書いている人もおられるが、それは恐らくその人の腕があまりに悪過ぎるだけで、5Dも、そこまでひどくはない。
 僕の感覚では、5Dでも十分。
 D700は気持ちがいい。
 D3は超気持ちがいい。
 といった感じになる。だから、D700でもかなり贅沢な感じを味わえる。
 明日は、D700を初めて野外で使う予定だ。 

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ニコンD700の効果
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 僕は、どんなに高感度に強いデジタルカメラでも、滅多にISO200よりも高感度側に設定することはない。
 その理由は、たとえ高感度の画質が優れているデジカメだって、低感度の方がより高画質に決まっているから。また、デジタルカメラが登場する以前は、みんな低感度のフィルムを工夫して使いこなし、それで見事な写真を撮っていたのだから。先輩方が低感度のフィルムで撮影した名作と呼ばれているような写真を今改めて見てみると、確かに撮影にはより時間はかかるのかもしれないが、逆にそれでしか表現できないものも、数多くあったように思う。
 
 だがそんな僕だって、高感度に強いカメラやを大口径のレンズ持っていると、それだけで、暗い場所で写真を撮りたいな!とワクワクした気持ちになれる。
 そして暗い場所で実際に写真を撮てみたら、暗いは暗いなり、ISO200で十分に写真が撮れたなどというケースも珍しくはないが、もしもそんな道具を持ったなかったなら、恐らく写真を撮る気にはならなかっただろうし、やっぱり高感度に強いデジカメや大口径レンズはいいなぁと思う。
 さらにカメラがある程度コンパクトであることも重要。カメラが大き過ぎないことで、どこに出かけるにせよ、ちょっとカメラも持っていこうかな、という気持ちになるし、それが結局いい被写体との出会いの確率を高めてくれる。

【 ニコンD700 28ミリf1.4 使用 】


(連載のお知らせ)
 4人の自然写真家(武田晋一・伊藤健次・田中達也・吉野雄輔)によるサンケイ・エクスプレスでの連載ですが、次回は8月2日(土)が僕の順番です。新聞の一面いっぱいに、写真と文章が掲載されます。
 新聞が販売されるのは、首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)と京阪神地区、奈良、和歌山市のみですが、関西地区では駅での一部売り・70円もあるようなので、是非ご覧ください。
 4月1日から、首都圏でもサンケイ・エクスプレスの駅売りが始まりました。一部100円です。銀座線を除く東京メトロ、都営地下鉄の全売店と、JRの主な売店、東武、西部の売店のほか、東急の一部売店で購入可能です。
 
 

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