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NikonD700とEOS5Dの比較 実写編
 僕は、RAW原理主義者である。だから、撮影は99%以上RAW。
 RAWで撮影した画像を、相手の依頼に応じてJPGに変換して渡したことは過去に何度もあるが、最初からJPGで撮影し、JPGのまま画像を納めた経験は、これまでにたった一度しかない。
 そのたった一度とは、小動物のある特定のシーンの画像を200枚欲しい、という特撮の依頼だった。
「これは、いくら僕がRAW原理主義者と言えども、RAW撮影では現像の手間がかかりすぎてとても間に合わん。」
 と仕方なくJPGを使った。

 RAWで撮影する理由は、好きな色があるから。
 ただし、画像処理で特定の色域に手を加えることは滅多になく、僕の場合はRAW現像の際に、ピクチャースタイルやピクチャーコントロール、色温度、コントラスト、色相あたりを操作し、自分が思い描く色に画像を近づける。
 今日の画像は上がニコンD700、下がキヤノンEOS5D。レンズはニコンがVR70~200mmf2.8ズームで、キヤノンが300mmf4IS。いずれも、比較をするために撮った写真ではなく、本番中に自然な流れの中で撮影した。
 両者は、RAW現像の際に比較をしながら色を似せたわけではなく、それぞれの画像をいつも通り、自分の好きな色に現像したもの。すると、だいたい大体似たような色合いになる。
 EOSの方がいつも赤っぽい色が浮く傾向にあるのだが、印刷の際の色のばらつきを考えると、この程度は誤差のうちに入るだろう。
 
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(NikonD700)

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(EOS5D)

 この下の画像は、上の画像を拡大したもの。先日からいろいろとテストを繰り返しているのだが、大体同じような傾向になった。
 全体とみると、若干ニコンの方がコントラストが高く見えるのだが、拡大をすると、部分部分についてはEOSの方がコントラストが高く、シャープで、被写界深度が深く感じられる。だからおじいさんの帽子に網目やシャツの模様などが、イオスの方がくっくり見える。
 EOSの方が、より望遠のレンズを使用しているし、被写体を大きく写しているし、絞りも浅いので、このシーンの場合、絶対的にニコンの方が被写界深度が深く感じられるはずなのだが、拡大画像ではそれが逆転する。
 これは恐らく、EOSの画像の方が素性がいいということになるのだろう。
 ニコンの方は、いわゆる見せかけのコントラストが高い状態になっているのだと思う。カメラの画像処理に関しては、EOSがまだ上なのだろう。
 ただ、印刷でその差がでるか?と言われれば、まあ、出ないだろし、そうすると、ニコンのメカとしての完成度の高さが捨てがたい。
 だから、動体の撮影にはD700を使いたいし、動かない風景の撮影ならEOS5Dを使いたくなる。
 
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(NikonD700 部分拡大)

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(EOS5D 部分拡大)

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NikonD700とEOS5Dの比較 望遠レンズ編
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(EOS5D)

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(D700)

 ニコンD700とキヤノンEOS5Dとで風景写真を撮り比べると、EOS5Dの方がシャープで繊細な画像が得られ、風景写真にはEOS5Dの方が適すると感じた。
 ところが望遠レンズを使うと、そのシャープさの差はあまり感じられなくなり、むしろ、コントラストの違いや色味の違いの方が僕には気になった。今回はどちらが優れている、などと感じたわけではないが、例えば、サルのぬいぐるみの部分では5Dの方がコントラストが高く、背景の部分ではD700の方がコントラストが高い。今日は重たい曇り空で、その間に気象条件が変化したとは思えないので、カメラの画像処理の違いなのだろうと思う。

Canon2.jpg
(EOS5D)

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(D700)

 ぬいぐるみの顔の部分を拡大してみると、わずかにEOS5Dがシャープで繊細。そのせいなのか、それともニコン(AF-S300f4)とキヤノン(EF300f4IS)のレンズの違いなのかは不明だが、拡大画像では5Dの方が被写界深度が深く感じられる。
 実は、普段撮影する際に、望遠レンズを使用すると、僕はニコンの方がピントを外しやすい傾向があり、
「望遠レンズを使う時には、丁寧にピントを合わせなければならない!」
 と反省させられることが多いのだが、今回のテストは、思いがけずその傾向を裏付けるような結果になった。

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NikonD700とEOS5Dの風景写真 追試編
 先日、トンボの撮影の合間に、NikonD700とEOS5Dとで風景写真を撮り、両者の描写を比べてみた。
 前回同様のテストをした際には、キヤノンの方が、色の抜けがいいのにコクがあり、風景にはEOS5Dの方が適すると感じたのだが、やはり今回も同じ感想に至った。


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(CANON EOS5D)

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(NIKON D700)

 大きな画像をこの場で見せることはできないのだが、両者を比較すると、一目見て、明らか5Dの方がに細密。

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(CANON EOS5D)
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(NIKON D700)

 そして部分を拡大してみても、やはりキヤノンの方がいい。
 これは、恐らくシャープの具合などというものではないだろうと思う。試しにニコンのデータにシャープをかけても、針葉樹の葉っぱの部分の描写は、さほど良くならない。
 また、画像全体を見ながら、なるべく両方の画像のコントラストが近くなるように調整してあるのだが、拡大画像を見てみると、キヤノンの方がかなりコントラストが高い。

 風景のようなシーンの場合、EOS5Dの方がD700よりも、一枚も二枚も上かな・・・が、前回も書いたように、D700のiso800の画像は実にスゴイ!
 だから、この2つのカメラの使い分けは、やはり、高感度が不要な場合は5D、高感度が必要な場合はD700という使い分けになってくるのだろうし、僕の場合は、風景中心の日はキヤノン、トンボの飛翔など、動物の動きのあるシーンを撮影する日はニコンになるだろう。

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写真の基本は記録
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 僕は、トンボの撮影に行けば、ついでにそこの景色の写真も撮る。シャッターを押しておけば、生き物たちの写真と一緒に、その景色の写真が使われることがある。
 いつもは、なるべく人工物が入らないように、もしもそこが池なら、その池の特徴だけがよく分かるようや写真を撮る。
 だがそれとは別に、これからは、電線や道路などの人工物も写った、まさにありのままの写真も撮っておこうと思う。

 先日、母校の直方北小学校で、子供たちに写真撮影や本作りを教えた。
 30年ぶりの学校。そして帰宅をしたら、僕は昔の学校の写真を見てみたくなった。
 すると、僕よりも5つ年下の弟の入学式の日に、父が僕たち兄弟3人を並べて写した写真の後ろに写り込んでいた学校の写真が一番良かった。
 ついでに写った景色が、むしろ、ありのままだったのである。
 それが撮られた当時は、学校の景色の写真としては、ほとんど何の価値のない写真だったのかもしれないが、30年の月日がそれを熟成させ、貴重な記録写真へと昇華した。

 写真は、被写体の良し悪しや技術の良し悪しだけではない。それは、僕が普段写真を撮る時に、一番欠けている視点ではないか?と思えてきた。ああ、写真の基本は記録なのだ!と打ちのめされた。

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600mm+1.4テレコンでトンボの飛翔写真に挑戦!
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 僕は目線が低い写真が好きだ。だから生き物の撮影の際には、なるべく目線を下げようとする。
 そして目線を下げるには3つの方法があり、1つ目は、自分が身をかがめ、カメラを地面すれすれに、なるべく低く構える方法。
 だがこの方法の場合、カメラを構える姿勢には相当に無理があるから、従って激しく動く生き物の撮影などは難しい。
 そして2つ目は、カメラを下げるのではなく、ちょっと小高い場所にいる生き物を見つけ、それにカメラを向けること。つまり、生き物の方を高くする方法。
 だがこの方法にも問題があり、それは、そんなに都合がいいちょっと小高い場所はいつでも見つかるとは限らない点だ。
 そして3つ目は、望遠レンズを使用すること。
 例えば三脚の上にレンズをのせ、地上から50センチの高さにカメラを構えたとする。
 それで、カメラから10センチの距離にあるものを撮影すると被写体の背中が移るが、10メートルの距離にあるものを写せば、大変に目線が低い写真が撮れる。
 つまり、わざと離れて望遠レンズで大きく撮影すれば、目線が低い写真が撮れやすい。

 さて、今日は600ミリレンズ+テレコンバーターを使用してトンボの写真を撮った。
 いつもなら、300ミリくらいのレンズで近くにやってくるトンボを狙うわけだが、今日はより望遠のレンズを使い、わざと離れて遠くの被写体を狙った。
 600ミリを超えるとさすがにレンズの扱いは難しく、飛翔中のトンボに次々とピントを合わせる、というわけにはいかなくなる。
 が、たまにはそんな馬鹿げた挑戦も楽しい。

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ニコンD700は、こう使え!トンボの飛翔編
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 昨年だっただろうか?島根県のある沢を歩いた際に、渓流魚が淵の水面に近い場所を悠々と泳いでいるのを見つけ、しばらく無心になってカメラのシャッターを押したことがある。
 カメラはキヤノンのEOS5D。
 暗い沢だったので、普段は意地でも高感度を使わない僕が、その時だけはカメラの感度はiso800に設定した。小学校の4年生の時に連れて行ってもらった渓流釣りがきっかけで、より深く生き物にのめりこんだ僕にとって、渓流魚は特別な存在であり、とにかくどうしても写真が撮りたかった。
 だが、後でパソコンで確認してみると、その時の画像はノイズが多過ぎるのと、やはり質感が悪くて、僕の基準では、その写真を使いたいという気持ちにはなれなかった。

 今日の画像は、D700をiso800に設定し、先日撮影したオオルリボシヤンマだが、上がノートリミングで、下がその一部を拡大したもの。
 下の画像などをクリックして多少拡大してみれば分かると思うが、D700のiso800なら間違いなく常用できるし、この画質はスゴイを通り越しているように思う。
 D700は、感度をiso800にして使うべきカメラなのかもしれない。
  

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NikonD700とEOS5Dの風景写真
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 先日、トンボの撮影の際に、しばらくトンボが姿を見せなかった時間帯があったので、僕はその間にカメラの特徴をつかむためのテストをしてみた。
 今日の画像は、上がキヤノン(EOS5D)で下がニコン(D700)。
 大きな画像は載せることが出来ないので画像を拡大した時の特徴を言葉で書くと、明らかに細密なのはキヤノン。
 また、色は画像を見れば大体分かると思うが、キヤノンの方が緑はあっさりしているのに、青空は鮮やか。言葉で表現をするのなら、抜けがいいのに、重要なポイントだけはこくがある感じ。その特徴は、風景を撮影するには非常にいい。
 逆にニコンの方は、青空を鮮やかに出そうと彩度やコントラストを上げると、緑の部分が破綻してしまう傾向があった。
 これらの画像はいずれもRAWで撮影しており、いろいろなパラメーターを扱ってみたが、どんなパラメーターに設定してみても、その傾向には変わりはなかった。
 すべての物事には好みがあるから一概には言えないのだが、風景を中心に撮影する人には、恐らくキヤノンが扱いやすいだろうと思う。
 逆に、飛翔中のトンボの画像の中には、5Dではちょっと撮れないようなものがたくさんあった。
 僕の師匠である昆虫写真家の海野先生は以前、
「フィルムを使い分けたように、デジタルカメラは用途に応じてメーカーを使い分けるのがいい。」
 とよく言っておられたが、なるほどな・・・。
 D700とEOS5Dを両方じっくりと使ってみれば、本当にその通りだと思う。フィルム時代の、
「俺はニコン党だ。」
 とか
「私はキヤノン派だ。」
 などという感覚は、捨て去ってしまった方がいいのかも。

 そしてあと1つ。EOS5Dのファインダーはスカスカでピントが合わせ難いというネット上の記事が多いのだが、僕は決してそんなことはないと思う。カメラの比較をした際にはいつも、EOS5Dのファインダーは見やすいと、感じる。
 

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D700の高感度でトンボの飛翔を撮る
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 先日2日間に渡り、母校の直方北小学校で写真撮影と本作りの授業をした際に、子供たちの写真を撮るためにニコンD700の高感度を軽い気持ちで使ってみたら、その画質がいいことには大変には驚かされた。
 ならば、僕の本業である自然写真でもD700の高感度を試してみたい。
 今日の画像は昨日の17:00過ぎに撮影したもの。レンズは300ミリf4に1.4倍のテレコンバーターで合計420ミリのf5.6。
 この時期のこの時間帯に、f5.6のレンズでトンボの飛翔が撮れるとは・・・
 撮影を切り上げて帰宅する時間を遅くしなければなりませんね!
 
 ニコンのD3やD700が大変に高い評価を得た、ということは、低感度よりも高感度に優れたカメラを望んでいた人がたくさんいたということになるのだろうが、確かに、高感度にはまだまだ可能性がある!
 昨日は、そんなことを実感させられた一日になった。

 一方で、高感度の画質がいい、というのはノイズを消しているわけだが、ノイズを消せばそのあおりを受けて必要なものも多少消えてしまい、写真の質感が悪くなりかねない。
 だから、そうしてノイズを消すことを悪だとみなす方もおられるようだ。
 だが、それを悪だとか善だなどという切り口で考えようとする人は、恐らく○×式の学校教育や受験などに毒されすぎた人だろう。
 それは善悪ではなく、それぞれのユーザーにとって、ノイズを消すことにによって失われるものの大きさと、高感度によって広がる世界の大きさのどちらが大きいか?の問題であるはずだ。
 

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アクティブDライティングって、スゴイやん!
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 僕はニコンのD3やD700を使う際にも、高感度を使ったことがなかったし、その他の目玉機能であるアクティブDライティングなども使用したことがなかった。
 理由は、そんなものがなくても、ちゃんと写真が撮れる、と思うから。

 だが、それは恐らく、僕がほとんど自然写真だけを撮っているからだろうと思う。
 自然写真の場合、自然の方に自分を合わせるのが原則。
 だから、もしも自分が写真を撮りに行ったその日の光が強すぎて、コントラストが高過ぎると思えば、また別のそうでない日に出直せばいいし、その日が暗すぎて被写体がぶれてしまうと思えば、明るい日に出直せばいい。
 むしろ、そうして条件が整うのを待つことこそが、自然写真を撮影するための努力でもある。

 ところが、何かのイベントの写真を撮るとなると、そんなことは言ってはいられなくなる。天候がどうのとか、光がどうのは2の次、3の次。とにかく、どんな条件ででもちゃんと写真が撮れることが一番優先される。
 すると、ニコンのカメラの優れた高感度やアクティブDライティングが大変な威力を発揮することになる。

 さて、昨日~一昨日は、僕の母校の直方北小学校で、写真撮影と本作りの授業をしてきた。
 その合間に、僕も子供たちの写真を撮ったのだが、今日の画像のシーンなどは、従来であれば大型ストロボでも準備しない限り、明暗差があり過ぎて、大変に撮影が難しいシーンだっただろうと思う。
 が、アクティブDライティングを使うと、いとも簡単にそれが写真に写った。
 つまり、絶対に一定水準以上の写真を撮って帰らなければならない状況では、D3やD700は極めて優れたカメラだと言える。
 多くのプロがこのカメラを絶賛する理由が改めて分かった。

 自然写真というのは、たとえプロの世界であっても、報道や取材などに比べると、極めて趣味的なんですね。自然なんだから、条件によっては写らないこともある、と最初から織り込み済みなのである。
 僕は、今度はキヤノンが、高感度の画質なんて悪くていいから、自然写真用に、ISO50~200くらいで震えがくるくらいに高画質なカメラを出して欲しい、と思う。

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D700の高感度って、こんなにすごいの?
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 僕はニコンのD3やD700を愛用しているのだが、実はこれまで、高感度での撮影を試したことがなった。理由は、たとえ高感度に強いD3やD700だったとしても、低感度の方がより高画質に決まっているから。
 だが今日は、ふとしたことがきっかけで、試しにD700のISO1600と800を試してみたら、その画質の良さには驚かされた。
 えっ・・・こんなにすごいの・・・。
 このカメラの高感度での画質がいいことは当然知っているのだが、いいって、こんなに?
 ISO800は当たり前に常用できるレベルで、ISO1600もほぼ問題なし。
 ISO1600を使うと、暗めの室内でも、そこそこ絞り込んで写真が撮れる。すると、ピント合わせにさほどシビアになる必要はないし、人物の動きだって止められる。
 やっぱり食わず嫌いはいけませんね!
 一方で、ノイズを消し過ぎている影響で小さな星などが写らない、という噂のD3やD700だが、そんなことが些細な問題に感じられるくらいに、このカメラの高感度は確かにスゴイ。
 いや~D3とD700を使っていながら、知りませんでした。
 

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ニコンデジタルでなければダメな仕事。
 自民党の総裁選はいったい誰が選ばれるのだろう?僕の地元は麻生さんの選挙区だし、僕は子供の頃から麻生さんのポスターを見慣れているので、もしも麻生さんが総理大臣になったら、なんとなくではあるが嬉しい感じがする。

 だが、そんなことを抜きにすると、職人的なタイプの与謝野さんが、僕の好みには合う。
 僕は、職人的な世界が好きで、写真の世界で仕事をするにしても、作家である前に、まず職人でありたい、という気持ちが強い。
 だから、自分が好きな被写体を好きなように撮影するはもちろん楽しいと思うが、一方で、
「この生き物をこんな風に撮影して欲しい。」
 と依頼され、それに答えようとする技や技術の世界も、それなりに好きだ。


 さて、好きなように撮影できる趣味の写真と違って、仕事にはいろいろな注文が付きまとう。そしてその注文の中には、まさにプロの技術でなければ対応できないものもあるが、他にもいろいろと面白い注文が寄せられる。先日は、ニコンデジタルで撮影した画像でなければダメ、という仕事がきた。
 ところが、残念ながら自分一人では対処できなかったので、野鳥写真の中田一真さんに助けてもらうことにした。
 中田さんはずっと以前からニコンを使い続けていて、アマチュアではあるが、嫌味のないいい写真を撮る人だ。

 僕が写真を始めたばかりの頃は、野鳥写真と言えば、圧倒的にニコンを使う人が多かった。
 ところが、その中で少数派ではあるが、キヤノンを使う人にはこだわりを持っていて写真が上手な人が多く、何だかとてもかっこよく、僕の目には映った。
 ところがその後、カメラの世界の情勢は変化し、今は野鳥写真と言えばキヤノン。逆にニコンは少数派になった。
 が、すると今度は、それでもニコンを使う人の中に、中田さんをはじめ、特にいい写真を撮る人が多いように思う。
 中田さんの他にも、例えばこの方は、ニコンデジタルを使ってとてもいい色を出すと思う。そしてさらに、ここしばらくは野鳥の写真があまり登場しないのだが、過去の記事を見ていくと、こちらもなかなかスゴイ。

 キヤノンを使う人の中には、
「キヤノンの方が明らかに色や画像の質感がいい。」
 と主張する方も少なからずおられ、そうした議論がネット上で展開されることもあるが、中田さんをはじめ、上に紹介したお二人ほどの色を出すキヤノンユーザーには、滅多に出会うことができない。
「いや、ニコンが優れている。」
 と言いたいのではない。使い手の力量が重要。
 カメラはメカであり、同じ条件であれば、誰がシャッターを押しても大きな違いは生じないはずなのに、実際には、誰が使うのかによって、画像の色も、質感も、シャープさも違ってくるのだから、実に面白いと思う。
 
 だから僕は、デジタルカメラの比較テストをくだらないと思う。
 むしろ、いい写真を撮る上手い人の
「このカメラはいいよ。」
 というその一言の方が参考になる。

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ニコンD700はレンズを選ぶ?
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 自然写真を撮影する場所と言うと、風光明媚な場所を思い浮かべる方が多いように思う。つまり、その場合の写真は、写真は写真でも、絵画的な写真だ。
 だが、絵画的な写真だけが自然写真ではないし、中には報道写真的な自然写真だってある。僕はここ数年、事務所の近所にある「町の水路」の生き物たちにカメラを向け続けている。
 
 さて、
「高性能なデジタルカメラはレンズを選ぶ。」
 とよく言われる。
「フィルム時代よりも、レンズの性能の差が出やすくなる。」
 と。
 それに対して僕は、それはちょっと大げさすぎるのではないかな・・・と思うことが多かった。確かに、新しい設計のレンズはよく写るが、劇的に違うわけではないし、一世代前の大抵のレンズは、全く問題なく使用できる。
 ところが、ニコンのD700を使ってみると、確かにレンズを選ぶな!と感じることがある。レンズがよくなければ、カメラの真価が発揮できないように感じられることがある。
 キヤノンのEOS5Dよりも、レンズを選ぶような印象を受ける。

 今日は、Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(IF)とAF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G (IF)を水草やその他の撮影に使ってみたのだが、この2本のレンズは間違いなくよく写る。
 ほ~、これがD700の実力か・・・、と驚かされた。
 自分の予測よりも、もっとシャープな画像が得られると、やはり気分がいい。

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続・被写界深度に関するネット上の論争。
 先日の記事 「被写界深度に関するネット上の論争」 の答えを書いておこうと思う。
 あるネット上の掲示板で繰り広げられた、85ミリレンズを使用し、f5.6で、20メートルから無限遠までにピントが合うのかどうかの議論。
 ある方は、ピントが合うと主張し、またある方は、合わないとし主張された。ピントが合わないと主張された方は、よほどに自信があったのだろう。ピントが合うと主張された方に対して、
「議論にならない。」
 という言葉を投げかけておられる。

 そのピントが合わないと主張された方の根拠は、下記のURL。
 http://hong.plala.jp/hisya.html
 このホームページの中に、85ミリ、f5.6、撮影距離20メートルと入力すると、確かに、20メートルから無限遠までにはピントが合わないことになっている。

 だが、撮影距離に39メートルと入力しているとどうだろう?
 そこに39メートルと入力すると、ピントが合う範囲は、約19.4メートルから無限遠。つまり、議論にならないと切り捨てた側が実は間違えていて、切り捨てられた側が正しかったことになる。
 ピントが合わないと主張された方の中には、掲示板上でプロを名乗っている方も含まれているのだが、プロにこの程度のことが分らないとは到底思えないので、もしかしたら偽装なのかもしれない。
 
 がしかし、
 「議論にならない。」
 とまで言った人が、もしかしたら間違えているのかもしれないのだから、今の僕だって、自分が気付かないだけで、間違えている可能性がある。
 やっぱり、謙虚さって大切ですね。

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