FC2ブログ
水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
金魚の写真の撮り方(3) 概要編
 金魚のような動き回る被写体を撮影する場合、ストロボを使用すると、その動きをぶれずに止めることができる。だからカメラは、ストロボを使うことを前提に選ぶのがいい。
 コンパクトカメラの場合、細かいことは省略するが、残念ながらストロボを使用する場合には使いにくい面があり、デジタルの一眼レフがお勧めだ。

 デジタル一眼レフといっても、ピンからキリまである。
 実売で5万円を切るものさえあるが、ニコン、キヤノン、ペンタックスから現在発売されているものに関して言うと、どれでも大差なし。十分過ぎる実力がある。
 ソニーは、唯一ストロボの規格が他のメーカーと異なり少々話がややこしい。だから、ソニーのカメラで写真が撮れない訳ではないが、金魚の撮影のためにわざわざカメラを買おうと思う人は、避けた方が賢明かもしれない。
 オリンパスは、センサーの規格が他社のものとは異なり画質の傾向が異なるが、傾向が違うだけで、他に特に問題があるわけではない。

 レンズに関しては、さらに別の機会に書こうと思う。

R0010260.jpg

 さて、ここからが今日の本題。今日は大まかなストロボのシステムを紹介する。
 洗面器の中の金魚を撮影する場合、ストロボは、上の画像のようにコードを使用し、カメラから離れた位置、具体的には洗面器の真上よりも外側の位置から光らせる。
 上の画像は、ニコンのストロボとその専用コード。コードを使用しないワイヤレスのシステムもあり、キヤノンやペンタックスにも、ほぼ同じものがある。
 
R0010261.jpg

 家庭用のコンセントから電源を取るタイプのストロボもあり、電源がある場所でしか撮影しない人の場合は、そうしたタイプのストロボも選択肢に入るだろう。
 この手のタイプのストロボは、発光する部分が、乾電池使用のタイプよりも大きい。そして、発光する部分が大きいと、物をより美しく照明することができる。だから、よりきれいな写真が撮れる。
 ペットショップが金魚を通信販売するために、頻繁に撮影したい場合などには、このタイプはお勧めできる。
 上の画像は、プロ機材ドットコムで販売されているFALCON SS-110B(\19800)というタイプのもの。
 デジタル一眼レフなら、どの機種でも使用できる。
 FALCON SS-110Bを使用する場合は、付属のコードをカメラのシンクロターミナルに取り付ける。シンクロターミナルの位置は、メーカーによって異なるが、ターミナルの形は共通である。
 ゴムのカバーの後ろに、2/3ほど顔をのぞかせている丸い部分がシンクロターミナルだ。 

R0010262.jpg

 安価なデジタル一眼レフの場合は、シンクロターミナルがない場合もある。
 その場合は、シンクロターミナル付きのアクセサリーをカメラに取り付ければ大丈夫。

R0010264.jpg

(4)に続く。

テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真

金魚の写真の撮り方(2) 概要編
_DSC7434.jpg

 ストロボを使用すると、動いている被写体をぶれずに撮影できる。だがその一方で、ストロボには使いこなしがあり、下手にストロボを使用すると、不自然な写真になる。
 では、ストロボを使いこなすためにはどうしたらいいのか?今回はストロボの使い方を紹介しよう。

 まず初めに今日の画像を見て欲しい。
 今日の画像は、水が張ってある白いホーローの洗面器の中に沈めたカタツムリの模型を撮影したものだが、水面にストロボが写り込んでいる。
 水面には鏡のような性質があり、水中の被写体を撮影する場合に、水面にはさまざまなものが写り込む。
 自分の顔がうつったり、カメラがうつったりするが、中でも明るいものは特に写り込みやすいため、金魚を照らすストロボの光は特に水面にうつりやすい。
 それを防ぐためには、どうしたらいいのか?
 それは、ストロボを洗面器の真上ではない位置から光らせること。具体的には、洗面器の水面の真上よりも外側から金魚に向けて、ストロボを光らせること。
 これは何もストロボの光に限った話ではなく、太陽の光で金魚を撮影しようとしても、蛍光灯の明りで撮影しようとしても同じことであり、陸上から水中の被写体を撮影する場合にまず第一に知っておかなければならない基本である。
 ストロボや蛍光灯の明りで撮影する場合は、それらの光の位置を、水面に映り込まないように自分が変えればすむが、太陽の光で撮影しようと思うとそうはいかない。その場合は、太陽が撮影に適した位置まで動くのを待つしかない。

 と言うことは、金魚を撮影するためのストロボは、カメラの内蔵ストロボでは困る。洗面器の中の金魚をカメラで撮影するためには、洗面器の真上にカメラを構えることになり、その位置からカメラの内蔵ストロボを光らせると、もろにストロボの光が水面にうつってしまう。
 金魚を撮影するためのストロボは、カメラから取り外せるタイプのもので、しかもそれを専用のコードを使用して、カメラから離れた位置で光らせなければならない。
 では、外付けのストロボとそれを使いこなすカメラは、いったいどのようなものを選べばいいのだろうか。
 次回は、金魚を撮影するためのストロボやカメラを紹介しようと思う。

(3)に続く

テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真

金魚の写真の撮り方(1) 概要編
st09706n.jpg
NikonD3X Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8D

 写真は、大きく分けると2つに分類できる。1つは、写真そのものを楽しむための写真。そしてあとの1つは、何かを伝える手段としての写真である。
 言い換えるなら、『趣味の写真』と『実用の写真』、と言ってもいい。
 金魚に関するブログを見てみると、
「写真が上手に撮れたらなぁ。」
 といったことがよく書いてあるが、この場合の写真とは後者であることは言うまでもないだろう。その人は写真を趣味として楽しみたいわけではなく、金魚のことを伝えるための手段として、写真を上手く撮りたいのである。
 それは、金魚の撮影が難しく、なかなか上手く撮れないということでもある。

 確かに、金魚の撮影はそれなりに難しい。
 まず第一に、金魚の撮影では、水中の被写体を陸上から撮影することになるが、水中のものを陸上から撮影するためには多少の基礎知識が必要になる。
 第二に、金魚は動き回るので、普通に撮影すると、写真がぶれてしまう。
 そこでこれから数回に分け、金魚の写真を撮るためのノーハウを紹介しようと思う。一般的に金魚は、白いホーローの洗面器に入れ、上から観賞することになっているので、洗面器の中の金魚を撮影する、という前提で話を進める。

 金魚愛好家が洗面器の中の金魚を撮影する場合、まず最初に決めなければならないことがある。
 それは、ストロボを使用するどうかである。
 だから今日は、ストロボを使うと、何がどう違うのかを説明しておく。
 ストロボを使うと、動く被写体を、ぶれずに写しとめることができる。これが、ストロボを使う一番大きな理由である。
 だがそれと同時に、ストロボはきちんと使いこなさなければ、ストロボ独特の不自然な感じの写真になる。
 これが、ストロボが嫌われる一番大きな理由であろう。
 だが、洗面器の中の金魚を撮影する場合に限って言うと、ストロボの使いこなしは、幾つかの基礎知識さえあれば、無茶苦茶に難しいものではない。

(2)へ続く。 

テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真

AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)
st09653n.jpg
NikonD3X AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)

 ここのところ、ついつい使ってしまうのが、ニコンのAF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)。
 手ぶれ補正は強烈に利くし、これまで70-200ミリf2.8と300ミリf4と巨大なレンズを2本持ち歩いていたところが、軽量コンパクトなもの1本で済む。
 このレンズを持ったことで、三脚不要・レンズ交換不要・体力が不要になったことで写真が気軽になった。
 写真が気軽になると、今度は日頃滅多にレンズを向けなかった被写体にカメラを向ける気になるし、そうして撮影した写真がそこそこ様になっていると、やっぱり楽しい。
 一方で、ボケ味が要求されるシーンや、MFで激しく動く動体にピントを合わせなければならないシーンには、不向きな面もあるように思う。
 ボケは、正直に言うと、あまりきれいではない。また、ピントリングの操作性が悪くはないが、いいという訳ではない。
 たとえば、飛翔中のトンボの撮影などに使用してみたことがあるのだが、そうした用途にはピント合わせがやりやすい単焦点の300ミリか、あるいは、DXフォーマットのカメラに、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)あたりの組み合わせがいいように感じた。
 AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)は、FXフォーマットのカメラに取り付けると、周辺の画質が悪くてがっかりさせられることがあるが、DXフォーマットのカメラで使用した場合には、極めて扱い易い、優秀なレンズだと思う。 
 特にピントリングの操作性が素晴らしい。飛翔中のトンボにMFでピントを合わせる場合、ピントリングの出来がいいと、こんなに合焦率が上がるのか!と感心させられたことがある。

 ちなみに、キヤノンの EF70-200mm F4L USM はとても写りがいいレンズだが、ピントリングの操作性はいまいちで、飛翔中のトンボの撮影などに使うと、その弱点を露呈してしまう。
 同じキヤノンのEF300mm F4L IS USMのピントリングは絶妙の操作性なので、キヤノンのピントリングが悪いというのではなくコストか何かの問題で、あえてそう作ってあるのだろう。
 そこのところは、国産の自動車の作りにも似ているような気がする。コンパクトな自動車は、サイズが小さいだけではく、作りもチープになる傾向がある。
 一方でヨーロッパの車には、コンパクトなものでも、しっかりとした作りのものがある。
 写真用のレンズも、欧州車のように、f値が暗くてコンパクトでも、凝った作りのものがあったらなぁと思うのだが、一番それに近いのはニコンだろう。
 僕がニコンをやっぱり手放せない理由は、そこにある。

テーマ:写真日記 - ジャンル:写真

金魚の尾形
 僕は、人が自然や生き物に手を加えることは、本来あまり好きではない。だから、人が手を加えた生き物の代表格である金魚を、「おぞましい!そこまでするか。」とむしろ嫌いだったのだが、写真撮影の仕事がきっかけで金魚に興味を感じるようになったことは、以前にも書いたことがある。
 では、金魚のどこに興味を持ったのか?というと、遺伝の不思議だった。
 ところが実際に金魚を飼育してみると、飼育の仕方によっても金魚の形が違ってくる。つまり、遺伝以外の要素もある。
 多少なりとも生物学を学んだ者にとって、ある生き物の形が遺伝によって決まるのか、それとも生まれた後の環境によって決まるのかは、大変に重要なこと。僕は益々、金魚の世界に強い興味を感じるようになった。
 今年は、金魚を飼い始めて2年目になるが、何となくではあるが、なるほどなぁ・・・と腑に落ちるようになっていた。
 金魚の形の基本は、まず遺伝によって決まる。そして、その遺伝によって決まっているものが、飼育環境によって、ある幅の中で変化する。
 どうも、そんな感じで、金魚の造形が決まるようだ。

st09472n.jpg
st09467n.jpg
st09474n.jpg
 さて、今日の画像はすべて同じ親から生まれた子供。
 一番上の魚は、尾の開きがいい。
 真ん中は、尾の開きが悪く、こうした魚ははねることになる。
 一番下は、フナ尾と言って、フナのような尾っぽをした魚。フナ尾の魚もはねられる。
 同じ親から生まれた子供を分け、違った環境で飼育してみると、尾の開きは、飼育環境によって随分変化することがわかる。飼育環境が良ければ、ことごとく、見事に尾が開いた魚になる。
 
 僕は写真を撮るために、本来金魚の飼育ではまず考えられないような魚の飼い方をすることがある。するとその中に、見事な魚ばかりが育ってきた容器があったことには驚かされた。
 具体的には、生まれて間もない稚魚の場合、魚の密度が同じなら、容器は小さい方がいい。もちろん、小さいと言っても限度があるが、ある広さの容器に金魚の稚魚を10匹入れる方が、その倍の広さの容器に20匹入れるよりも、稚魚たちはよく成長する。
 つまり、稚魚をまとめて1つの容器で飼うのではなく、小分けにする。
 容器が大きいと、1つの容器の中にさまざまな環境ができる。したがって、魚たちの成長にばらつきが生じる。
 また、大きな容器の中に多くの魚を入れた場合、魚が容器の一部で群れると、そこでは魚の密度が高くなり、容器全体を平均した魚の密度はさほと高くなくても、部分的に過密になってしまう。
 実は、これは それはカタツムリの子供たちを、均一に、なるべく早く大きくさせる方法と基本的な考え方が同じだ。
 来シーズンは、小さな容器をずらりと並べ、稚魚を飼育してみるか!
 生き物って面白いなぁ。

テーマ:写真日記 - ジャンル:写真