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NX2 vs. DPP vs. SILKYPIX 絵作りの違い
 先日、ニコンとキヤノンのデジタルカメラの絵作りの差について、どうもセンサーの違いよりもソフトの違いの方が大きいようだ、と書いた。ニコンで撮影したデータでも、ソフトによってはキヤノンの画像と区別がつかないような絵にできると。もちろん、かと言って、同一の被写体をニコンとキヤノンとで撮影した場合に、それを全く同じにすることはできないのだが、ブラインドテストで、
「この画像を撮影したカメラは何でしょう?」
 とたずね、
「キヤノンじゃない?」
 と答えさえる程度のことは可能だと思う。


 僕が、使い込んでいると言えるほどの頻度で使用したことがあるRAW現像ソフトは、ニコンキャプチャーNX、NX2、キヤノンのDPP、シルキーピックスの4種類だ。
 この中で、「できがいいな!賢いなぁ」と思うのはキヤノンのDPP。気の利いた小技はほとんど何もないが、そんな小技なしでも素直なデータが得られる。小技ができないというよりも、小技なんて不要なのかもしれない。万人受けする、どんなシーンでも通用しやすい絵作りは、穴が非常に少ないと書いておこう。
 その逆に小技満載なのはNX2だ。だが、その絵作りには、絵柄によって得意不得意があり不器用な面もある。それがビシッと決まるときには力強くてカッコイイ絵が出てくるのだが、合わないシーンに関しては、あたかもカメラの性能が1~2段悪いかのような絵になってしまう場合もある。
 
 DPPとNX2の絵作りは、逆の傾向にある。
 DPPはコントラストの再現性を重視した感じで、データのつながりがいい。空の青なら空の青で、1枚の画像に写っている空の中に、いろいろな濃さの青を再現できる。
 ところで、写真に写りにくい被写体の例としては輪郭がはっきりしない被写体があげられるが、それらの被写体をよりよく撮影したい場合には、いったいどうしたらいいのだろうか?たとえば、球の丸みや水の質感などを表現したい時には。
 その答えは被写体の微妙な濃淡を細かく再現することで、その点に関して言うとDPPが作り出すデータはつながりがよく、微妙な明暗の再現性に優れ、輪郭がはっきりしない被写体の描写にすぐれる。
 NX2のデータは、DPPとは逆に白黒をはっきりさせる感じがする。人の見た目よりも明暗が強調され、非常に力強い。角ばった輪郭がはっきりとした被写体を撮影すると、その力強さが一段と増す。
 だが逆に、画像の明暗が白か黒かに分かれてしまう傾向があるから、データのつながりが悪くなり、輪郭がはっきりとしない被写体の撮影では、微妙な濃淡を再現しきれずにどうにもならないことがある。
 そこに大きな穴があり、万能ではない印象を受ける。
 
 では、シルキーピックスはDPPとNX2のどちらに似ているか?と言われれば、DPPに近い。
 データのつながりが良いから、NX2でRAW現像したニコンのデータが気に入らない場合には、シルキーピクスを試してみればいいと思う。
 ただ、倍率色収差の自動補正などニコンのレンズの収差を補正することに関しては、純正であるNX2にはかなわない面もある。僕は、NX2以前はシルキーピックスをとても気に入ってよく使用していたのだが、NX2になってからはそうした補正機能が充実しているNX2一辺倒になっていた。
 ところが最近再びシルキーピックスを試してみると、データのつながりがいい絵は自然物の描写にはとてもよく合うことを再認識させられ、小さな収差の補正にこだわり過ぎるよりも、絵作りの重要性さをあらためて痛感させられた。

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NikonD700 AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED f11 AE 28mm
シルキーピックスにてRAW現像
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NikonD700 AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED f11 AE 28mm
NX2にてRAW現像

 さて、今日の画像は、先日レンズのテストをした際のデータを、NX2とシルキーピックスで現像したものだ。
 こうした角ばったものが多い町の景色にはNX2の絵作りが向くし、逆に自然の風景にはシルキーピックスが適しているように感じる。
 NX2とシルキーピックスが一長一短だと迷うよりも、ニコンユーザーは、シーンに応じて両者の使い分けを楽しむのがいいのではなかろうか?
 先日焼肉屋に行ったら、2種類のたれがついてきたのである。

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AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED vs. TAMRON SP AF28-75mmF/2.8
NikonD700に、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED と TAMRON SP AF28-75mmF/2.8を取り付けて比較テストを行った。
この日はうす雲がかかっており、刻々と微妙な明るさが変化する一日であったことをあらかじめお断りしておく。したがって、今日の画像の微妙な色合いや露出の違いは、参考にはならないと思う。


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NikonD700 AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED f11 AE 28mm

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NikonD700 TAMRON SP AF28-75mmF/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO f11 AE 28mm

 結論からいえば、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDの画質がいい。値段が違うのだから当り前か・・・RAWデータの部分を拡大してみると、ニコンの方がよく解像していた。
 だが、画像の中のすべての個所でそれがわかるか、と言えばそうではなく、看板の文字や建物の輪郭などの部分では差を見出すことはできなかった。
 違いができるのは、遠くにある森の木々など、細密な描写が求められる部分だった。
 僕の場合は、本が主な仕事の場になるが、印刷でその差がでるか?と言われれば、少々答えに困る。今日の画像に関しては、印刷レベルでは差が出ない可能性も大いにある。
 言葉で表すなら、2本のレンズの違いは、誤差よりも少しだけ大きいくらいの違いだと思う。
 画面の中が一面細かい木々だったなら、恐らく差がでるに違いない。
 また、先日暗い森の中で逆光の光が差し込んでいるシーンで、キヤノンのEF17-40mm F4L USMとの比較を行ったのだが、そのシーンではニコンの方が像のにじみが少なく圧倒的に良かった。
 つまり、風景写真をメインに撮影し、レンズの微妙な描写の違いが確実にわかり、しかもそれにこだわるような人なら、高価ではあるが、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDを選ぶ価値はあると思う。

●その他

 周辺光量については、画像を見たらわかるようにニコンがいい。個人的な好みを言えば、落ち方がきれいな周辺光量の低下に関しては全く気にしていないし、むしろそこに味を感じてさえいる。
 だが、周辺光量の低下が少ないレンズの方が、露出がとり易いことだけは確かである。

 色は参考にしないで、と最初に書いたが、ニコンとシグマを比較した際に感じるような色の差の違和感は、ニコンとタムロンの間にはなかったことだけ書いておく。

 操作性に関しては、超音波モーターを内蔵したニコンがいい。AFとMFとを状況に応じて使い分けており、その切り替えの頻度が高い人には、文句なしにニコンがいいだろう。

 大きさ・重さについては、タムロンの軽さ・小ささが実にいい。このサイズでこれだけの画質!
 一方でニコンは重たいが、D700に取り付けてスローシャッターを切った際には、レンズの重さやカメラとのバランスの関係なのだろうが、非常にぶれにくい。

●結論
 ニコンは確かにいい。だが、値段を考えるとタムロンも凄い!
 僕の場合、風景を主に撮影する際にはニコン。だが、小動物の撮影がメインの日には、荷物を減らすためにタムロンという使い方かな。小動物の撮影の場合は、ストロボやら、ストロボを支えるブラケットやらで荷物が多くなってしまうのである。
 

機材の比較テストの話

 レンズの描写は、同じ銘柄のレンズでも一本一本異なる。特に、大口径のレンズではその傾向が顕著になる。 だから、カメラをテストする際には同じレンズを取り付けなければテストにならない、という人がいる。
 だが、2台のカメラに同じレンズを取り付けると、1台からレンズを取り外し、2台目に取り付ける際に時間の差が生じ、天候の状況によっては、その数秒の差で写真の色やコントラストが違ってくる。
 その場合は、レンズを同じものにするよりも、時間を揃えた方がいい場合もある。
 今回は、1台のカメラに2本のレンズを付け替えることによって2本のレンズの違いをテストしたのだが、色やコントラストに関しては、もしも同じカメラが2台あれば、それぞれにレンズを1本ずつ取り付けておき、同時に2台のシャッターを押すことで、かなり正確なことが分かる。
 もちろん、それとてカメラの個体差の問題があるのだが。

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ニコンD3X + SILKYPIX (後編)
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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S NX2にてRAW現像
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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S シルキーピクスにてRAW現像

 NikonD3Xの場合、絵がとても硬くて、それがピシャリはまる時にはいいが、そうではない時に大変に使いこなしが難しいカメラであることは過去に書いたことがある。
 そう言うと、
「ピクチャーコントロールは何を使ってる?ニュートラルを使ってもダメなの?」
 と聞かれることが多いのだが、画像全体を眺めてみてその絵に必要なコントラストや彩度を与えると、どの設定を選んでも、やはり絵が硬すぎる傾向がある。ピクチャーコントロールは、どれを選んでも基本的な絵作りは変わらず、末節の部分を変えているような印象を受ける。

 ところが、そのD3XのRAWデータをシルキーピクスで現像してみると、一転して非常に扱いやすい、ネイチャーフォト向きの素直なデータが得られる。
 僕はこれまで、絵作りの面で癖が強いD3Xが扱いにくい場合にキヤノンのEOSを使用してきたのだが、D3X+シルキーピクスの組み合わせを知ってしまった今、EOSを使用する機会は、今後はおそらく激減するだろう。
 とにかく、D3Xとシルキーピクスの組み合わせは非常にいい。

 ところで、ニコンとキヤノンとで同一の被写体を撮影し、まずはEOSのデータをDPPでRAW現像する。
 そして次に、ニコンで撮影したRAWデータをシルキーピクスを使ってEOSのデータに近づけていくと、最終的には、両者はほとんど区別ができないくらいに似た絵になる。
 ニコンとキヤノンとでは採用されているセンサーが異なるわけだが、それでもそっくりの絵が得られるということは、絵作りにおいてセンサーの差はそんなに大きな違いにはならないということがわかる。
 むしろ、ソフトが重要。
 EOSのデータは非常に扱いやすいという人が多く、僕も全く同感。そしてそれはセンサーが優れているからだとてっきり思い込んでいたが、どうもそうではなくソフトの違いのようなのだ。
 カメラがデジタル化して、フィルムがセンサーに変わったという人がおられる。が、かつてはフィルムが絵を決めていたことを思うと、今はソフトが絵を決めているのだから、フィルムはソフトになったと言った方が正確なのではなかろうか。
 
 

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ちょっと上京中。
 午前中、八重山の写真家・黒柳昌樹さんに案内してもらい、東京の街を歩いた。
 黒柳さんは、東京生まれの東京育ち。そしてそれだけでなく案内がとてもうまいので、一緒に歩くと楽しい。
 待ち合わせは水道橋の駅のホームで方向は新宿方面だったのに、僕は間違えて逆のホームへと行ってしまい、少しだけ時間に遅れてしまった。
 水道橋の駅は単純な作りなのに、そんな場所でさて間違えてしまう僕は、人に会うのは好きだが、時間を決めての待ち合わせが大の苦手だ。
 
 午後からは仕事の打ち合わせで、ある出版社へ。事前の約束の際に担当の方が、
「何時にお越しになりますか?」
 ではなくて、
「何時頃お越しになりますか?」
 と尋ねてくださったのが、待ち合わせが苦手な僕にとって、とてもありがたかった。会社員の人とその会社で待ち合わせをするのに、何時頃?と聞かれたのは、生まれて初めてではなかろうか?

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ニコンD3X + SILKYPIX (前編)
 ニコンD3Xはまるでポジのような描写。一方でD700はネガのよう (のちにシルキーピクスを使用してその印象は一転したが) 。同じニコンと言えども、2台は画素数だけでなく絵作りも違う全く別のカメラ、というのが、初めてD3Xを使用した時の僕の印象だった。

 好みにあったのはD3Xの方。理由は、画素数ではなくて、渋い絵作り。だから、大伸ばしの必要がない場合でもD700ではなくてD3Xを常用してきた。
 そして絵作りに関して言うと、D3Xにはちょっと硬過ぎて使いにくいじゃじゃ馬的な側面があることは、このブログの中でも何度か書いた記憶があるが、状況に応じて、そのじゃじゃ馬に乗りたくない場合は、キヤノンのEOS5Dを使ってきた。EOSは、非常に手堅い絵作りをする。
 絵作りが気に入らなかったD700に関しては、高感度専用機として、代打の切り札的に使ってきた。不思議なことに、暗い場所で使用すると、D700のちょっと安っぽい色合いが、むしろいいのである。
 暗い感じがしない、とでも言ったらいいのだろうか。

 D3Xの画素数に関して言えば、本当は2400万画素もいらないんだけどなぁと感じつつ使ってきた。
 例外的に、野鳥の撮影では2400万画素を重宝している。鳥が遠い時はDXで、近い時はFXで撮影すればいい。また、水浴びのシーンなどでとにかく連写をしたい時にはDX、そうではない時にはFXと使い分ける。
 さらに飛翔中のトンボの撮影にもいい。トンボをファインダーから逃さないように、ファインダー内でやや小さ目に捉えておき、あとで1200万画素くらいを切り出す。
 が、一般的な撮影の場合、むしろ僕には、1200万画素クラスのフルサイズセンサーを搭載した、D3Xのような渋い絵作りのカメラが欲しかった。もしくは、キヤノンEOS5Dの新型がもっとしっかりとしたボディーで発売されたなら、迷わずそれに飛びつき、その時には、完全なキヤノンユーザーになっていたことだろう。

 ところが、シルキーピクスで画像処理をしてみると、その気に入らなかった絵作りのD700が非常にいいのだから驚いた。
 こうなると、もうD3Xは要らないんじゃないか?と思わなくもないが、今度はD3Xのデータをシルキーピクスで現像すれば、D3Xの方がよりクリアーな絵になる。その差は、もしかしたら色やコントラストの問題ではなく、D3Xの方が細密である結果遠くまでがクリアーに見えるような印象になり、抜けがいいように感じられるのかもしれない。
 EOS5Dとの比較では、以前NX2で現像した際には、D3Xは確かにすごいが、5Dが善戦するなぁという印象だった。輪郭がはっきりした被写体に関してはD3Xがよく写るのだが、自然物の丸みに関しては5Dの方が上。
 ところが、その際に撮影したデータを改めてシルキーピクスで現像しなおしてみると、今度はほぼ全面的にD3Xがいい。
 D3Xの、絵が硬過ぎるじゃじゃ馬な側面も、完全に影をひそめる。そして、大変に扱いやすい優等生なデータが得られる。
 D3Xで撮影しNX2で現像すると、カラーコントロールポイントを使用して、画像を部分的に補正しなければならいケースが多々あるが、シルキーピクスでは、最初から補正する必要がない絵が出てくることが多い。
 風景的なシーンに関して言うと、NX2はいらない、という気さえしてくる。



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NikonD3X Distagon T* 2.8/25mm ZF シルキーピクスにて現像
(幅500pxに拡大可)

_DSC6861.jpg

NikonD700 Distagon T* 2.8/25mm ZF シルキーピクスにて現像
(幅500pxに拡大可)

NX2でRAW現像すると、全く違った絵作りをするD3XとD700だが、シルキーピクスを使用すると、大体同じ絵が出てくる。

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NX2 vs. SILKYPIX
 ニコンD700は、小さな生き物を撮影する者にとって、スペック的に大変に魅力のあるカメラだ。
 作りのいいボディ。それから、内蔵ストロボは、使いこなせば非常に便利
 また、D3などと違ってレンズマウントよりも下の部分があまり出っ張らないため、地面すれすれまで目線を下げることが可能。しかも、バッテリーグリップを取り付ければ、秒8コマの高速連写もできる。
 さらに、大変に優れた高感度の特性。
 一方で、絵作りがイマイチで、被写体の立体感が悪い。ところが、シルキーピクスを使用してD700のデータをRAW現像してみると、実に見事な絵が出てくる
 ただし、シルキーピクスも完璧ではない。そこで今回は、純正ソフトであるNX2とシルキーピクスの違いを紹介する。
 
 まずは絵作りだが、シルキーピクスの絵作りにはいくつかの設定が準備されているものの、シルキーピクスが多彩なのは、被写体に忠実な設定と言うよりは、記憶色に近い絵作りだ。
 だからネイチャーフォトのような用途にはいいが、商品を実物に忠実に紹介するような用途には、使いづらい面があるかもしれない。
 その点は、NX2の方が扱いやすいかもしれない。
 それから、NX2は純正のソフトであるから、自動的にさまざまな収差を補正してくれる。
 たとえば倍率色収差。
 下の画像は、シルキーピクスで現像したものだが、拡大をしてみると、魚の背びれから頭にかけて、縁取りのような倍率色収差が見える。
 
1_DSC2526.jpg 
NikonD3X AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)
(幅1200pxに拡大可)

 一方で、次の画像はNX2で現像したものだが、自動的に、あまり気にならないような感じに補正される。

nx2_1.jpg
NikonD3X AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)
(幅1200pxに拡大可)

 シルキーピクスにも、倍率色収差を補正する機能がある。
 だが、今回の画像の場合、魚の頭部の収差を目立たなくすれば、代わりに背びれの収差がひどくなり、シルキーピクスの補正機能では、画像をどう扱ってみても、どこかに周差が目立つ箇所が残った。
 この辺りが、NX2が優れている点だと思う。

3_DSC2526.jpg 
NikonD3X AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)
(幅1200pxに拡大可)

 撮影に使用したレンズは、AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)。
 新しくて評判がいいレンズのはずだが、この画像に限っては結構盛大な収差が現れたのは、もしかしたら、倍率色収差は、あとでソフト的に処理をする前提の設計になっている可能性もある。
 ただし、今日取り上げた倍率色収差の例は、それがきわめて盛大に現れた例であり、しかも水槽撮影という非常に特殊な撮影だ。
 一方で、普通に撮影された自然写真に関しては、いまのところ、シルキーピクスで手に負えないような倍率色収差が出たことはない。

 

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ニコンD700 + SILKYPIX (後編)
 シルキーピクスを使用すると、ニコンD700は現役最強のカメラ


 機械としての完成度は高いが、絵作りはあまり上手くないニコン。特に、D3、D700は、線で構成された輪郭がはっきりした被写体に関してはよく写るが、球や曲線など輪郭がはっきりしないものの描写を苦手とし、ネイチャーフォトに使用するカメラとしては、画像の質感が悪い。
 同様の意見は、過去にD200を使用し、その後D300に乗り換えた方からも何度か聞いたことがある。
「D200の方が好きだったと。」
 だからD300にも、同じような傾向があるのだと思う。
 ニコンとキヤノンとを状況に応じて使い分けている僕としては、それぞれ一長一短であり、時々、どちらを選ぶべきか迷うことがある。
 だがシルキーピクスを使ってD700のRAWデータを現像してみると、実にいい絵が出てくる。だからこれでもう迷う必要はない。
 来シーズンは、D700をメインのカメラとして使う予定だ。

GW-20091208-110636.jpg

 さて、そのシルキーピクスの設定だが、デフォルトの設定がとてもよく出来ている。だから、余程に特別な意図がない限り、設定をいろいろ試すというよりは、デフォルトを少し扱うのがいいだろう。
 ニコンとキヤノンとで同じ被写体を撮影し、それぞれをNX2とDPPで現像すると、ニコンが黄色~やや緑色、キヤノンが赤っぽい傾向がある。
 そしてその傾向はシルキーピクスを使用しても同様なので、それらの色かぶりは、ニコンやキヤノンの画像エンジンの絵作りというよりは、センサーなどの性質なのだろう。
 そこで、シルキーピクスでD700のデータをRAW現像をする場合は、まずはホワイトバランスをデフォルトの状態から少し扱い、大まかな色かぶりを取り、さらにホワイトバランス微調整で、普通では取りにくい色かぶりを取り除く。
 デジタル画像を扱っていると、どうしても取れない中途半端な色かぶりに悩まされることがあるが、シルキーピクスのホワイトバランス微調整は、そんな時に絶大な威力を発揮する。

● ホワイトバランスの調整

 僕の場合、色偏差を+4(マゼンタ寄り)にしてにして緑の色かぶりを抑える。ただしそうすると暗部に限っては赤くなり過ぎるので、暗部調整を-1にして、若干緑に寄せる。
 画像によっては、その際の色偏差を+3くらいに抑えた方がいい場合もあるし、逆に+5くらいまでに扱った方がいい場合もあるので、そのあたりは臨機応変に。

● ホワイトバランス微調整

GW-20091208-110838.jpg

 D700の場合、黄色~やや緑色の取りにくい色かぶりがあるので、ホワイトバランス微調整の丸い円の中のポイントを、黄色~やや緑色から遠ざけるように移動する。
 以上の操作で、だいたいいい。あとは、コントラストと彩度を、画像の絵柄によって調整すればいい。

  シルキーピクスはインターネットでソフトをダウンロードし、一ヶ月間無料で使用することができるので、まずは試してみることをお勧めした。
 作成した設定は、細かく保存できるようになっているので、ちゃんと保存しておくことをお勧めしたい。
 ただし、シルキーピクスも完璧ではない。その点に関しては、次回 NX2 vs. SILKYPIX で紹介しようと思う。
 正確に言うと、シルキーピクスの問題というよりは、NX2には純正であるがゆえに特に優れている点がある。

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ニコンD700 + SILKYPIX (前編)
ニコンD700のRAW現像には、シルキーピクスが最適

 ニコンとキヤノンとにはそれぞれ一長一短あり、どちらが優れているとは言い切れないのだけど、機械としての信頼性の高さはニコンが上。だがキヤノンの方が絵が生き生きするというのは、多くのプロの意見の一致するところだろうと思う。
 今日の最初の2枚の画像は、砂浜でD700とEOS5Dを比較テストした結果である。
 シャープのかかり具合などで画像の先鋭度に差が出てはならないから、シャープネスはOに設定。さらにその他の設定も同等になるように。
 また、レンズは同じものを使用した。

 先日、ピンポン玉を材料にして、ニコンとキヤノンの画像の違いを紹介したのだが、キヤノンのカメラの方が物の立体感が良く写る。
 その傾向は、自然物にカメラを向けてもやはり同様であり、下の2枚の画像を拡大してみると、キヤノンの画像の方が砂浜の凸凹が立体的に写っており、足跡がたくさんあるように見る。
 その差は、同じ場所にカメラを向けたとは思えないほど大きい。
 D700やD300のユーザーで、その立体感のなさが気になっている人は、結構おられるようだ。
 ならば、ニコンの画像のコントラストを高めたらどうなるのか?と試してみると、背景の山などがカチカチに硬くなってしまうだけで、砂浜は一向に立体的にならない。

_DSC2589-2.jpg
NikonD700 Distagon T* 2.8/25mm ZF
_MG_8914-2.jpg
CanonEOS5D Distagon T* 2.8/25mm ZF

 そこで1つ疑問。
 キヤノンの画質の良さだが、センサーの素性がいいなど、カメラ自体のポテンシャルが高いのか、それても画像処理が上手いのか、果たしていったいどちらなんだろう?
 僕は、先日からニコンのカメラにカスタムトーンカーブを当てはめて、ニコンデジタルのポテンシャルを引き出す試みを繰り返しているのだが、その結果は、ポテンシャル自体はニコンもキヤノンも大差はないというものだ。
 そこで今回は、ニコンD700のRAWデータをSILKYPIXで画像処理してみた。
 結果は、下の画像を見ればわかるとおり、立体感がよく表現され、D700のポテンシャルはなかなか大したものだ。EOSよりもいいんじゃないか?
 また、SILKYPIXはお見事!としか言いようがない。
 いや、ニコンの画像処理が不器用過ぎるのか・・・

 ニコンデジタルの画像は暗部がとても硬い傾向にあるが、その点も、SILKYPIXを使うと全く問題なし。
 つまり、ニコンデジタルの暗部が硬いと言っても、それは完全に画像処理の問題で、暗部にデータがないわけではなく、データ自体はちゃんと存在していることになる。
 D300の画像もD700と似た傾向があるから、D300のRAW現像にも、シルキーピクスが絶大な威力を発揮する可能背があると思う。

_DSC2589.jpg
NikonD700 Distagon T* 2.8/25mm ZF SILKYPIXにてRAW現像

シルキーピクスの具体的な設定は、次回紹介する予定だ。
(後編へ続く)

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ニコン300ミリクラスのレンズ・比較テスト
とにかく荷物を減らしたい一心で、下記の3本のレンズの描写を比較テストしてみた。

● AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF) + Ai AF-S Teleconverter TC-14E II
● AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)
● Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(IF)

Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(IF)を選択すると、100~200ミリ前後をカバーする別のレンズが必要になり、荷物が多くなり過ぎる。だから、できればこのレンズを使わずに済ませたい。
だが、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)は暗い。
そこで僕の期待は、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)+ Ai AF-S Teleconverter TC-14E IIがそこその切れ味で、一本のレンズ+テレコンで、100~300ミリ前後をカバーしてくれるというもの。
フィルム時代に比べると機材が全般に大きくなっているから、何か取捨選択をしなければ、荷物の重さにエネルギーを取られ過ぎてしまうのである。

テストに使用したカメラはNikonD700。テストの際の焦点距離は、ズームレンズの場合は最も望遠側にして、300ミリ前後になるように。絞りは一番暗いレンズに合わせてf5.6にそろえた。

最初は、それぞれの画像を切り出して、部分部分をアップでお見せするつもりだったが、テストの結果はあまりにも明瞭であり、その必要もないと判断。

Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(IF)は文句なしにいい。凄い切れ味。
AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)は、単焦点に比べると落ちるものの、特に問題なし。
AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)+Ai AF-S Teleconverter TC-14E IIは明らかに甘い。AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)は、テレコンを間にはさんで使うレンズではないのだろうな。残念!このレンズは、DXフォーマットのカメラを使用する人には、とてもいいレンズだと思うのだが、FXフォーマットのカメラでは、周辺光量落ちのひどさなど、少々画質が厳しい。
それにしてもやっぱり単焦点レンズは凄い。荷物を減らすためのテストだったのに、改めてAi AF-S Nikkor ED 300mm F4D(IF)の魅力を再認識し、少々荷物が重たくなってもいいかな、と心変わりしつつある。

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AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
  + Ai AF-S Teleconverter TC-14E II
st10895n.jpg
AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)
 
st10896n.jpg
Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D(IF)
 

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