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水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
EOS5D vs. OLYMPUS E-620 (淡水の水中編)
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OLYMPUS E-620 EF20mm F2.8 USM(改)
水中ハウジング使用
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OLYMPUS E-620 ED 9-18mm F4.0-5.6(改造)
水中ハウジング使用

 僕が主に撮影しているような小さな生き物は、冬はあまり活発ではない。したがって撮影に関して言うと冬期はシーズンオフの感があるが、それでも2月に入るとアカガエルの仲間や小型のサンショウウオの産卵が始まり、同時に僕の新しいシーズンがスタートする。
 いずれも浅い水辺に卵を産み落とすので、水中カメラが大活躍。そして今年は、それらの撮影にキヤノンのEOS5DとオリンパスのE620を使用する予定だ。

 キヤノンのEOS5Dと他のカメラとを同時に使用した際にいつも感じるのは、5Dのできの良さだ。そして今回も、改めて5Dの画質の良さを感じた。
 特に無地に近い部分やアウトフォーカスになっている部分の空気感がほんとうにイイ。今回の画像なら、サンショウウオの卵の背景にある水の質感描写が素晴らしい。
 そうした空気感に関して言えば、僕の知りうる範囲では、例外なくセンサーが大きいカメラほどいい。

 逆にオリンパスは、ピントが合っている部分に関しては、フォーサーズ独特のピントの深さとシャープさがあり、生き物そのものをシャープに見せるような撮り方には大変に適すると感じた。
 だが無地に近い部分やアウトフォーカスになっている部分の描写はイマイチで、言葉に表すならベタッとして絵が安っぽい。特に光が少ないフラットな状況では、それが顕著になる(光が十分にあり無地の部分にもある程度のコントラストがつけば、途端にそうしたことは感じなくなるのだが)。

 5DとE620とを同時に使用すると、2つのカメラの性質の違いがとてもよく分かり、それはちょうど35ミリ判と中判の違いに良く似ている。
 フィルムの場合、35ミリ判には35ミリ判に適した被写体が、中判には中判に適した被写体が、大判には大判に適した被写体があった。そして大判に適した被写体を35ミリ判で撮影しようとするのは、一種無謀なことであった。
 デジタルでもフォーサーズにはフォーサーズに適した被写体が、フルサイズにはフルサイズに適した被写体があり、ある程度、自分が使用しているカメラに適した切り取り方をする必要もあろうかと思う。
 特にフォーサーズを使用する場合は、35ミリ判フルサイズセンサーのカメラやAPS-Cのカメラとはかなり性質が違うため、フォーサーズの持ち味が生きるシーン、生きる切り取り方をして、フォーサーズの良さを引き出すことが必要だと僕は感じている。

 僕の場合は空気感重視なので、センサーはなるべくなら大きい方がいい。
 ただE620に関してはサイズがとても小さいので、EOS5Dが沈まないほど浅い水辺専用のカメラとして導入したのだが、僕の絵作りの好みから言えば、小型のAPS-C機でも良かったのかもしれない。
 特にペンタックスには、35ミリ判換算で20ミリ前後で最短撮影距離が非常に短い単焦点レンズが準備されている点に大変な魅力を感じる。
 淡水の水中では、被写体までの距離が遠いと水の濁りで像が不鮮明になるため、なるべく短いレンズで被写体に近づいて撮影するし、僕の場合は20ミリが標準レンズになっているのだが、ただ20ミリ相当のレンズには最短撮影距離が長いものが多く、それが大いに問題になるのだ。
 因みに、今回の画像を撮影するために使用したキヤノンの EF20mm F2.8 USM は、マウントのネジをいったん緩め、マウントとレンズの銅鏡の間に薄い金属のリングを挟むことで、超極薄の接写リングをかましたような状態になっている。

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センサークリーニング
 野外での撮影の場合、僕はこれまで、デジタルカメラのセンサーに付着するゴミがひどく気になったことはなかった(スタジオの場合は、無地のバックを背景に、絞り込んで撮影することがあるのでゴミは気になる)。
 もちろん、それなりに対策をしていたことは言うまでもない。レンズ交換をする際には、カメラのマウントやミラーボックス周辺とレンズの後玉の付近を良く見て、目に見えるゴミは必ずブロワーで吹き飛ばすことにしている。そして、それで大体問題はなかった。
 ところがNikonD3Xに関しては、そうして気を配っていてもやっぱりゴミが目立つ。そこで今回改めて、いろいろなセンサークリーニングを試してみることにした。
なお、D3Xは1台しか持たないし身近に持っている人もいないので、僕のD3Xだけがそうなのか、或いはどの個体でも同じなのかは不明だ。


 まずは、今のところベストだと感じている方法と組み合わせを紹介しよう。
 内容は左から ①センサーを見るための照明付きのルーペ ②静電気でゴミを吸着するブラシ ③ブラシでは取り除けないゴミを拭きとるための液 ④センサーを拭くための専用のステック類

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①のセンサーを見るためのルーペは、ゴミが気になる人には大変にお勧めできる。
僕が購入したのはハクバのセンサークリアルーペで、ルーペの片側が開いており、そこからステック類を差し込み、ゴミをルーペで見ながらピンポイントで狙い撃ちできる。
気になる点は、照明用の電池があまり長持ちしないこと。長時間使用するとどんどんライトが暗くなっていくので、なるべくまめにライトはOFFにするように心掛け、また予備の電池をたくさん持っていた方がいいだろう。

②の静電気でゴミを吸着するブラシは、ビジブルダストのアークティックバタフライ724ブライト。確かに乾いたゴミはよく取れる。少々高価ではあるが、やはりお勧めできる。ブラシがとても柔らかく、他の製品にはない安心感がある。
使い方は、下記を見たらよく分かる。
http://bogenimaging.sakura.ne.jp/VisibleDust/pro_voice1-1.html

③の液は、ビジブルダストの製品
 水性の汚れの汚れに対応
 油性の汚れの汚れに対応
 水性と油性の汚れに対応
 の3種類が発売さてているようだ。

④のステック類だが、僕が購入したのは左から、
 ビジブルダストのグリーンセンサーコーナースワブ
 ビジブルダストのグリーンスワブ1.6x
 ビジブルダストのグリーンスワブ1.0x
 ハクバのセンサークリアー2

 の4種類。
 そして、ステック類に関しては、使えるな!と感じたものと、そうではないものとがあった。
 結論から言えば、センサーの広い範囲を液体を使用して拭くのは、素人にはそれなりに難しい。だからなるべく液体を使わずに②のブラシなどでゴミは取り除き、液体を使用する場合は、先の細いステックを使い、ルーペでどうしても取れないゴミを目視しながら、そこだけを拭く方法がお勧めだ。
 つまり、画像の右から4番目のビジブルダストのグリーンセンサーコーナースワブを、僕はお勧めする。
 広い範囲を拭くのが難しいとは、拭きむらができやすかったり、ゴミがセンサー上で移動するだけの結果に終わりやすく、どこかが改善されれば、別の場所が悪くなる傾向にある。
 ちなみに、センサー用のルーペを使用していろいろな角度からセンサーを眺めていると、目視では分からないセンサーの吹きむらなども多少見える。
 また、グリーンスワブ1.0xは35ミリ判フルサイズセンサー用だと思っていたのだが、D3Xにはやや幅が太すぎて使いにくい。仮にどうしても広い範囲を拭きたいのなら、35ミリ判フルサイズセンサーのカメラでも、より幅が狭いステックを使った方がいいだろう。D3Xにはグリーンスワブ1.6xの方が使いやすかったし、僕は購入しなかったのだがグリーンスワブ1.3xという商品もあるようだ。
 ハクバのセンサークリアー2に関しては、微小なゴミを狙い撃ちするにはやや先が太すぎ、ゴミの位置を捉えにくかった。


 その他、使用したことがあるのは下記の3つ。
 それぞれの使用感を簡単に書いておく。

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●DDPro
 一言で言えば掃除機だ。だが吸引力は弱いので、結局ブラシで掃く感じになる。そして掃く道具としては、先が硬くて不器用な感じがする。

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●Canonの製品
 粘着力のあるスタンプにゴミをくっつけて取り除く。
 スタンプなので、下に押しつけて上に引っ張る上下の運動になるが、頑固なゴミは左右の運動でなければ取れにくく、発想は良さそうなのだが意外にゴミは取れない印象。

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●Nikonの製品
 ステックにペーパーを巻き付け、アルコールを染み込ませて拭く。
 メインテナンスのプロが使用する道具、という印象を受ける。一言で言えば技術を要するが、それを習得すれば、どうしても広い範囲を拭きたい時の道具としては大変にいい。
 まずは、グリーンスワブなどの洒落た道具と比較すると、とても安くあがる。グリーンスワブは高価なので、一拭きするたびに、チャリン、チャリンと課金されていく感じ。
 一方で、拭きむらができやすい。特に、センサーを拭いたステックを宙に持ち上げる場所に液が残りやすく、そこがむらになりやすい。恐らく、相当数練習しなければ、これはマスター出来ない感じがする。僕はギブアップした。


●センサークリーニング全般に言えること

 Nikonのクリーニングキットに付属している説明書には、取り除くべき目立つゴミとほとんど目立たないので放置すべきゴミとの区別が説明してあるが、これがとても重要。
 ルーペなどを持ってしまうと完璧主義になり過ぎて、ついとことんまでセンサーをきれいにしたくなる。 
 だが神経質になり過ぎないことが大切だと思う。自戒の意味も込めて、普通に青空などにカメラを向けてみて、特にゴミが気にならなければそれで良し、くらいの感覚でいいのではなかろうか。
 

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作例写真のあり方

NikonD700 AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED iso800

 インターネット上の公のサイトに撮影機材に関する記事が掲載され、そこに作例があると、それに対して時々、
「写真が下手過ぎる。お粗末すぎる。」
といった内容の書き込みがある。
 そしてそんな書き込みに対して、あるカメラに関するテクニカルライターさんが、
「機材のテストのための作例と作品とは全く別のものなのに、その区別がついていない人がいる。」
 と指摘をしておられるのを読んだことがある。
 機材をテストするために写真を撮るのなら、機材の性能が分かりやすいようなシーンにカメラを向ける必要があり、それは絵になる写真を撮ることとは違う。だから僕も、機材をテストする際には道具の癖が出やすいようなシーンを選ぶし、たとえばレンズをテストする時には、必ず周辺光量の低下の具合が分かりやすいシーンや歪曲収差がはっきりするシーンにレンズを向けてみる。

 一方で、そのライターさんの主張に、僕はどこか同意できない気持ちもある。
 というのは、機材の性能の違いを浮き彫りにすることに最も特化した撮影は、テストチャートを写してみることだが、テストチャートでは分からない部分が間違いなくあるから。同様に、作例作りではなく作品作りをしてみなければ、その機材について語ることなどできないような気がしてならない。
 だから、機材に関する作例は、同時に作品としても成立していなければならないような気がする。 

 僕のテーマは水辺の自然(生き物)なので、水辺で作品作りをする時には特に理想が高くなるし、その結果ただ像が写っているかどうかだけでなく空気感や水の質感までもを表現しようともがくのだが、そんな風にカメラマンが本当に撮りたいものをがんばって撮ろうとしなければ分からない機材の性能がまぎれもなく存在するように思う。
 そして、そんな部分を、多くの機材に関するレポートが、確かに軽視し過ぎているような気がしてならない。 
 

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ニコンD700 + SILKYPIX (実戦編)
 時々、ニコン( D3XやD700 )とキヤノン( EOS5D )とをどう使い分けているのを聞かれるが、画質に関して言うと、輪郭がはっきりした被写体や明暗がくっきりした被写体はニコン。逆に水のようにヌルッとした質感のものや土や木の幹のような微妙な濃淡のものはキヤノン。これが昨年までの、僕のニコンとキヤノンとの使い分けの1つの基準だった。
 そして自然物の場合はキヤノンが適するシーンが多く、その結果ネイチャーフォトではキヤノンを多く使っていた。

 ところがシルキーピックスでニコンのRAWデータを現像してみると、
http://takedashin.blog10.fc2.com/blog-date-20091204.html
http://takedashin.blog10.fc2.com/blog-date-20091208.html
 まるでキヤノンで撮影したかのように微妙な質感や濃淡がよく再現されることが分かり、それなら!と今年はほとんどすべての撮影にニコンを使う予定にしている。
 画質に差がないのなら、機械としての完成度が高いニコンがいい。
 ただ、テストで良かった機材が現場ではイマイチ、というケースは決して珍しくない。さて、ニコン+シルキーピックスは本番の撮影でどのような結果になるのだろうか。
 昨日は、それを試す機会がおとずれた。
僕にとって非常に非常に重要な局面で、ニコンD700+シルキーピックスを使ってみた。


NikonD700 AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF) iso800

 今日の画像のようなシーンは本来ニコンが大変に苦手とするシーンだが、シルキーピックスを使うと結果は上々!
 写真愛好家の間では、「ニコンかキヤノンか」としばしば白熱するが、それ以上に重要なのはRAW現像ソフト。そんなことは分かり切っているはずだったのに、僕は、各種収差の補正など純正ソフトにしかできない機能にとらわれ過ぎ、純正でなければならないと思い込んだ結果、それ以外のRAW現像ソフトをいつの間にか遠ざけてしまっていたようだ。
 D700のiso800で撮影したRAWデータをシルキーピクスで現像した場合、純正ではない分、NX2に比べるとノイズが目立つのではないか?と心配していたのだが、今回のデータに関しては、そのような結果にはならなかった。
 参考までに、先日知人がD300のiso400で撮影したRAWデータを見せてくださったので、シルキーピックスとNX2で比較を試してみたら、D300については、シルキーピクスを使うとややノイズが目立つように僕には感じられた。
 
 

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