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水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro
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OLYMPUS E-620 ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro 水中ハウジング

 反論される方もおられるだろうが、レンズの描写は、設計が新しければ新しいほどいい、とは限らない。
 たとえばマクロレンズの場合、設計が新しいものは大半がIF方式になっており、近接撮影の際にもレンズが繰り出さず全長が変化しない分扱いやすいが、描写に限定して言うと、従来のような繰り出しがあるレンズの方が自然だと感じる。
 個人的な好みを言えば、僕はIF方式の操作性よりも、自然な描写を取りたい気持ちが強い。
 もっとも大半の人にとってはIFの方がありがたいだろうから、やがてマクロレンズはIFのレンズばかりになってしまうのかもしれないし、TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1などを上回る自然な描写のレンズなどは、今後は出てこない可能性だってありうるのではなかろうか。
 
 さて、オリンパスのZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 MacroはIFではないし、レンズの構成図を見る範囲では新しいテクノロジーを駆使したレンズではなく、むしろ古めかしいレンズであるように思われるが、描写は自然で僕の好みに合う。
 シャープさに関しては、何とも言い難い。
 というのも、ニコンやキヤノンとはセンサーのサイズが違うので比較がしにくいし、もしかしたらオリンパスEシリーズのRAWデータには、デフォルトで(シャープをゼロに設定しても)シャープが掛っているのでは?と思われる節もあるから。
 
 操作性に関しては、IFではないし、例えばレンズを繰り出した際のワーキングディスタンスが短すぎて使いにくいといった不満を漏らす方もおられる。
 また、僕は近接撮影の際にはまずAFで大まかにピントを合わせ、その後体の前後で細かなピント合わせをすることが多いが、このレンズで近接撮影をすると、AFがひどく迷くことがある。
 おそらく、レンズが繰り出す結果、暗くなってしまうのが原因ではなかろうか。
 そこのところの好みが、このレンズを選択する際のポイントになるのかもしれない。

テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真

ニコンD700 + SILKYPIX (花の写真編)
 写真業界にはいろいろな事情があるから、ある写真家が、ある特定のメーカーのカメラばかりを持ち上げる、というようなことは珍しくない。
 だがそうした事情を抜きにした場合、ある人が使用するカメラがA社の製品ならその人の仕事が評価され、B社の製品だったなら評価されない、といったことはまずないだろう。日本のメーカーの近いスペックのカメラを使っている場合、カメラによる描写の違いなんて、仕事全体の評価からすれば誤差のようなものだ。
 そう言う意味では、たかがカメラだと思う。
 時々、ネット上で、
「○○社製のカメラ以外は仕事にならない。」
 というようなことを主張する方がおられるが、そんなのは大嘘であり、それは恐らく妄想癖が激しすぎる人の発言に違いない。
 だが、されどカメラでもあり、自分が手にする道具が自分の好きな描写かどうか、自分のテーマにあった機材かどうかは大変に気になることだ。それは、ある機材が仕事に使えるとかどうか、といった次元の話ではなく、自分自身が納得できるかどうかの問題。
 写真家がそのこだわりをなくしてしまったら、もしかしたらおしまいかもしれない。

 さて今回は、ニコンD700で撮影した花の画像を、キヤプチャーNX2とシルキーピックスとで現像処理してみた。



 まずは、ニコンのRAWデータをキヤプチャーNX2で現像すると、暗部がとても硬くなり、それが合うシーンと合わないシーンとで良し悪しがはっきりする。
 そして、花の写真は花の写真でも、今回のシーンのように暗部が存在し、その暗部に画像を締めるような役割がある場合は、キヤプチャーNX2の画像処理が好みに合う、という方もおられるだろうと思う。

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NikonD700 AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF) NX2
拡大可能



 一方で、シルキーピクスを使うと、緑のつながりが非常によく、滑らかなデータが得られる。
 ただ、このシーンの場合は、キヤプチャーNX2で処理をした画像と比較をした場合に、弱いと感じる方もおられるに違いない。
 でも、僕の好みはこちら。
 昨年までは、このようなシーンの場合に、暗部までよく描き出すキヤノンのカメラを使用してきたが、シルキーピクスを使えば、キヤノンは必要ないかな・・・と今のところは感じている。今年は、これまでキヤノンを持ち出していた状況でもっとニコン+シルキーピクスを試し、今後も時折報告するつもりだ。

 シルキーピックスの画像処理は、ニコンの画像処理の弱点を補完するかのようであり、まるでニコンのカメラを意識して作られたソフトのように、僕には感じられる。もしもシルキーピックスの開発者と話ができるような機会があれば、是非たずねてみたいところだ。
 僕の場合のシルキーピクスの設定だが、基本的にはデフォルトのままで、ホワイトバランスのみを黄色~緑を弱める方向に若干扱っている。デフォルト以外に、シルキーピックスのフィルム調も過去にはいろいろと試したことがあるが、フィルム調に関して言えば好き嫌いが分かれる絵作りであり、穴が大きくて、僕はあまり好きにはなれなかった。

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NikonD700 AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF) SILKYPIX
拡大可能



 参考までに、「キヤプチャーNX2の画像処理が硬い」と主張すると、「ならばコントラストを落とせば」、という方がおられるので、そうした画像も紹介しておこうと思う。
 キヤプチャーNX2でコントラストを落とすと、今度は全体が墨っぽく、眠たくなってしまう。

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NikonD700 AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF) NX2
拡大可能

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自然写真家とスタジオ撮影
 自然写真家、といっても時にはスタジオで写真を撮らなければならないことがある。たとえば、ある種の生き物の産卵のシーンや昆虫の脱皮や羽化や卵の孵化の様子など自然条件下では撮影が難しいシーンの場合は、スタジオ内に自然を再現し、人工的な条件下で写真を撮る場合がある。
 中にはそれをやらせだ、という人もおられるが、そうではない。スタジオ撮影は、科学の研究で言うなら実験室内での研究のようなものだと考えてもらえばいいと思う。生き物の研究や撮影には、実験室でなければできない厳密な世界があるのだ。

 そして僕の場合は水辺をテーマにしているので、被写体の中に水中の生き物が含まれるが、水中の生き物の撮影の場合は、スタジオ内に水槽を設置することになる。
 ところが水槽は場所を取るし、サイズによっては手軽に移動させることができないので、複数の仕事が重なった場合に、その水槽をちょいとどこかに避難をさせ、別の仕事をこなすというようなやり繰りが難しい。だからもしも、魚の卵が産み落とされてから孵化をするまでの過程を撮影したいのなら、その間の数日間は、スタジオが他の撮影に使えなくなってしまう。
 そこでこの2月、床がひどく傷んでいた事務所の建物を改築するついでに、新たに1つ撮影スタジオを増設することになったので、新しいスタジオをここでお披露目しておこうと思う。


NikonD700 SIGMA15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE SILKYPIX

 まずは、これまで使用してきたスタジオ。
 一番奥が、大型の照明器具が設置してある撮影スペースだが、その手前に並んでいる水槽も撮影用。
 一番手前の水槽には泥が敷かれており、田んぼや沼の生き物を撮影する。その奥の水槽には岩が投げ込まれており、岩がゴロゴロした清流的な環境に生息する生き物の撮影に使う。。一番奥の水槽には水草が植えられていて、背景を水草の緑色にしたい時に使う。

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NikonD700 SIGMA15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE SILKYPIX

 そしてこちらが新しいスタジオ。
 スタジオの手前半分は機材置き場になっている。
 部屋の幅がもうちょっと広ければ、幅270センチの背景紙を置くことができるので人物の撮影にも対応できるのだが・・・。そう言えば昨年、学校教材の仕事で、椅子に座った男性が足を上げ下げするシーンを撮影したのだが、スペースの関係でスタジオでは撮影ができず、幅270センチの背景紙を駐車場に広げて撮影したことがあり、その際には光の状態や天候などに大変に頭を悩まされた。
 が、贅沢を言えばきりがない。
 今回新しく作ったスタジオの場合、180センチの背景紙なら設置することができる。

テーマ:写真家の仕事 - ジャンル:写真