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Ai Nikkor 20mm F2.8S vs. Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 (4)
 前回の記事『Ai Nikkor 20mm F2.8S vs. Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 (3)』で紹介した画像の、比較的中央に近い部分(400ピクセル×400ピクセル)を切り出してみた。
 Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2の方が、若干焦点距離が長い分被写体がやや大きく写るため、像がより鮮明に見えることを差し引いても、Distagon T*2.8/21ZF.2の方がコントラストが高くてシャープだ。

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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S
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NikonD3X Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2

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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S
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NikonD3X Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2

 ところが、前回の記事で掲載した部分を切り出す前の元画像を見てもらえば分かるように、画像全体を眺めてみると、Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2のコントラストが、Ai Nikkor 20mm F2.8Sのコントラストよりも特に高いという印象はない。
 つまり、Distagon T*2.8/21ZF.2の画像は、部分はしっかりしていてより拡大に耐えるのに、画像が全体としては硬過ぎて破たんするようなことなくマイルドな描写だ。

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Ai Nikkor 20mm F2.8S vs. Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 (3)
 Ai Nikkor 20mm F2.8S と Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 で周辺光量落ちを比較してみた。
 Ai Nikkor 20mm F2.8S ・ Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 ともにf2.8~f4あたりでは結構な周辺光量落ちがみられる。特にf2.8では、周辺光量落ちというよりは全体光量落ちといった感さえあり、f11で撮影された画像と比較すると、空の明るさがかなり違う。
 ただ、いずれのレンズも落ち方が心地よく、ワイドズームのそれとは別次元。やっぱり単焦点レンズの描写は心地いい。
 Ai Nikkor 20mm F2.8Sの方が若干周辺光量落ちが大きいが、周辺光量落ちに関しては両者の違いは値段の差ほどはないように感じる。
 僕が感じるこの2本のレンズの違いは、色と画像を拡大した際の細部のコントラストや解像力で、特に解像力は、Distagon T*2.8/21ZF.2の方が明らかに1ランク上だ。


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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S f2.8
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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S f4
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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S f5.6
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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S f8
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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S f11


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NikonD3X Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 f2.8
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NikonD3X Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 f4
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NikonD3X Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 f5.6
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NikonD3X Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 f8
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NikonD3X Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 f11


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Ai Nikkor 20mm F2.8S vs. Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 (2)
 カメラを三脚に固定し、Ai Nikkor 20mm F2.8S と Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 を順次取り付け、遠景の描写を比較してみた。


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NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S SILKYPIX
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NikonD3X Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 SILKYPIX

 ファインダーを一瞬のぞいただけで、2本のレンズの描写が全く違うことがすぐに分かった。近いスペックのレンズを比較テストをする際に、撮影結果を見る前にこれほどの違いを感じたことははじめての経験であり、一瞬自分の目を疑ったほどだ。
 具体的には Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 が鮮やかな発色をする。一方でニコンの方は墨っぽく感じがれる。
 だが、Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 の方が絶対的に優れているか?と聞かれると、少々答えに困る。僕の個人的な好みを言えば、Ai Nikkor 20mm F2.8S の渋い発色が好きだ。
 いずれもf11・AEでの撮影だが、若干露出に差が出る。Aiレンズと電気接点を持ったレンズの違いだろうか?

 シャープさに関しては、ピクセル等倍で比較すると、画面全体で Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 の方がシャープな描写をし、特に画像の周辺部ではその差が大きくなる。

 周辺光量の低下に関しては、単焦点の広角レンズの場合は、僕は元々ほとんど気にならないので、両者の違いがわかるようなテストをしていない。例えば、Ai Nikkor 20mm F2.8S にはそれなりに周辺光量落ちがあるが、落ち方がきれいなので、それでいいという考え方なのだ。
 ズームレンズの場合は、時に蹴られているのでは?と感じられるほど、落ち方が汚いものがあるので、必ずテストをすることにしている。
 
 最後に、意外に大きく感じられた違いが、20ミリと21ミリの画角の違いだった。

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Ai Nikkor 20mm F2.8S vs. Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 (1)
Ai Nikkor 20mm F2.8S と Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 のスペックの違いからくる写りの違いを検証する。


 元々ニコンユーザーだった僕がキヤノンも使うようになったきっかけは、EOS5Dの登場だった。その当時、僕はニコンから35ミリ判フルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラが発売されるのを心待ちにしていたのだが、雑誌の記事上でニコンの社員の方が、
「35ミリ判フルサイズセンサーのカメラよりも、DXフォーマットの方が、トータルの画質が優れている。」
 とも受け止められるような発言をしておられたので、仕方なくEOSを買ったのだった。
 その後、ニコンからも35ミリ判フルサイズセンサーのカメラ・D3が発売され、すぐに手に入れたのだが、実写をしてみると、画像処理の面でEOSの方が弱点が少ないと感じた。そこでニコンとキヤノンとをともに持ち続けることにして、ニコンが苦手とするシーンの場合はEOSを使ってきた。

 ところが昨年、SILKYPIXをあれこれ試してみたら、ニコンのカメラとSILKYPIXの組み合わせで得られる画質が非常にいいことが分かり、ほぼニコン一本槍になった。
 またそれと同時に、ニコンのカメラ用に、少々高価でもいいから、高性能なレンズを買おうか!という気にもなった。
 さて、Carl Zeiss Distagon T*2.8/21ZF.2 が届いた。

 Distagon T*2.8/21ZF.2 購入の最大のポイントは、最短撮影距離が短いこと。20ミリクラスの単焦点レンズの最短撮影距離は25センチであることが多いが、Distagon T*2.8/21ZF.2は22センチ。
 それがどの程度の差になるかは、次の2枚の画像を見ればわかるだろう。小さな生き物を主な被写体にしている僕にとって、この差は非常に大きい!


NikonD3X Ai Nikkor 20mm F2.8S SILKYPIX
最短撮影距離(25センチ)にて撮影
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NikonD3X Distagon T*2.8/21ZF.2 SILKYPIX
最短撮影距離(22センチ)にて撮影

 シグマの20mm F1.8 EX DG ASPHERICAL RFも、最短撮影距離がとても短いレンズだ。
 だが、ボケが汚いこと、遠景を撮影した場合にAi Nikkor 20mm F2.8S の方がシャープであること、さらに、ニコンのレンズとは随分違った色の傾向でその色があまり好きではなかったこともあり、結局使わなくなってしまった。
 その点、Distagon T*2.8/21ZF.2なら、最短撮影距離だけでなく、画質にも期待できる。いやいや、幾らなんでも、この値段で画質が悪いということはないやろう!
 その画質の中でも特に気になっていたボケに関しては、いろいろな光のもとで撮影してみなければ確信めいたことは言えないが、第一印象としては明らかに悪くないし、並の広角のレベルではないことだけは確かだ。
 
 

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OLYMPUS E-620 ボディ内手ぶれ補正の効果
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 浅い水の中での撮影の際に、何に最も気を使うか?と言えば、泥を巻き上げないようにすることだ。特に小さな生き物の撮影の場合、被写体の拡大倍率が高くなるから、おのずと巻き上げられた泥も拡大され、肉眼ではほとんど濁っていないように見える水が、カメラのファインダー内ではひどく濁っているようなケースがよくある。

 そこで僕は、水を濁らせないように、まずは水際の陸地にしゃがみ込み、肘や膝を陸上に残したまま、カメラだけをそっと水の中に沈める。さらに、水に沈めたカメラは決して水中の地面につけないようにして宙に浮かせたままとし、アングルファインダーを使い、カメラの上からファインダーをのぞきこむ。
 
 ところがそうすると、体は不安定であり、またカメラは宙に浮いているしで、極めて手ぶれが生じやすい。1~2センチ程度の小さな生き物をマクロレンズで拡大した際などには、ファインダー内の像が、ブルブルと震えているのがよく分かる。

 ボディ内手ぶれ補正のE620の場合、レンズ側での補正と異なりファインダー内の像はぶれてしまうため、初めてE620を使用した際には不安を感じたし、実は今でも一抹の不信感のようなものを感じないではないが、実写した画像を見た際の効果はいかほどか、と言えば絶大な威力がある。
 実は僕は、ファインダー内の像がぶれてしまうボディ側での補正なんて、邪道という程ではないにしても、半分くらいは意味がない!と思い込んでいたのだが、E620を使い込むにつれて、自分のその考えが間違えていたし、もっと早くボディ内補正のカメラを導入しておけば良かった、と感じるようになった。
 本来なら手ぶれしてしまうような無理な姿勢でもシャープな写真が撮れることで、撮影の際のアングルの自由度が増すのである。

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