水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
水辺の生き物の撮影とジャケット
st13964n.jpg

 水辺に這いつくばって小さな生き物にカメラを向けると、服が泥だらけになる。また、肘や膝の部分は破れるし、高価なものを身につける気にはなれない。
 がしかし、冬の水辺は寒いし、寒いと撮影に集中できないから暖かいものが欲しい。
「そんなに寒い時期に小さな生き物なんていなぇだろう!」
 と突っ込みたくなる方もおられるだろうが、そんな時期に好き好んで卵を産むカエルなどが日本には生息する。
 ところが暖かいものは高価なので、品質を取るか値段を取るか、着るものを選ぶ時にはいつも散々迷う。

 下半身は、オーバーオールのような形をした釣り用の胸まである長靴だと決めてある。釣り用の長靴は耐久性は十分。防水も効いているから中にフリースのオーバーズボンなどを着込んでおけば暖かい。欠点は、小便がやりにくいことくらいか。
 安物買いをすると蒸れて結露して結局冷たくなってしまうから、ゴアテックスとは言わないまでも、そこそこの素材のものを選びたい。
 問題は上半身で、こちらに関しては「これでいい!」と思えるようなものをまだ見つけてないが、今年は、オークションで購入した ARCTERX のものを使ってみた。  

_DSC1941.jpg

 実はこの ARCTERX 、細かなところが明らかにARCTERX品質ではないし、模造品なのではないか?と思う。袖を絞るためのベロのマジックテープはすぐに効かなくなり、ついにはベロ自体が取れてしまったし、ポケットの中にも穴があいた。ゴアテックスだと書かれていたのに、それなりに蒸れて肩のあたりが結露する。 
 ARCTERXの新品ではあり得ない値段だったから、多少の覚悟はしていのだが、やっぱりか・・・。
 ただ、冷たい空気を遮断することに関しては数千円のものとして見れば非常に良くできており、僕のような水辺の湿地にはいつくばるスタイルの撮影にはお手頃。あ~汚れたとか、ああ、破れるかもなどと気になることもない。
 その後腐れなさが、とても気に入ってしまったのだ。
  
 

テーマ:写真家の仕事 - ジャンル:写真

著作の紹介 (町の中の泉)
kaisei-no1.jpg

著作の紹介
水と地球の研究ノート① 町の中の泉(偕成社)

主な撮影機材は以下の通り
NikonF90X 15㎜ 24㎜ 55㎜ RVP
CanonEOS5D 20㎜ 100㎜
NikonD3X 24-70㎜ 

 フィルムとデジタルとで水の質感の違いが予想以上に大きく、印刷の際に苦心。デジタルにすっかり慣れてしまったけど、こんなに違ったけ!フィルムとデジタルは混ざらない方が作業がスムーズにいくことを痛感。
 ただ、機材をデジタル化しデジタルカメラを手にしたからと言って、簡単には撮り直せない写真があるのも事実。

 印刷用の画像に埋め込むプロファイルと言えばadobe-RGBが一般的だ。
 しかし、印刷の際のCMYKで表現できる色はどうせadobe-RGBよりも狭いことを考えると、adobe-RGBのプロファイルを埋め込むことに意味があるのだろうか?より色域がCMYKに近いs-RBBの方が手堅いんじゃないか?と感じることが多々ある。
 印刷と言えばなぜadobe-RGBなのか?
 本当かどうかは知らないが、
「デジタルカメラが登場する以前にフィルムをスキャナーでデジタル化していた頃に、それがデジタル先進国のヨーロッパのスタンダードだったからその流れで・・・」
 と聞いたことがある。
 ともあれ、エメラルドがかった水の青い色などはadobe-RGBのモニター上では見えても印刷上では出ないのだから、案外s-RBBで調整しておいた方がモニターと印刷の結果が近くなり、結果が予測できる分、いい仕上がりになる可能性もある。

テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

NikonD700を使いこなす(シルキーピクスの設定)
 デジタルカメラの画質について、いろいろと書いてはいるものの、現実的なことを言えば、印刷の際のばらつきの方が、カメラの機種による画質の違いよりもはるかに大きい。特に色については、そうした側面が強い。
 ただ諧調だけは、元の画質の良し悪しが印刷の結果にダイレクトに表れ、諧調が悪い写真は救うことができにくいからちゃんとしておきたい。
 ところがD700は、その諧調があまりよろしくない。ただしそれは現像ソフトの問題であり、RAWで撮影しシルキーピクスを使えば、すばらしい諧調が得られる。
 諧調については→ http://takedashin.blog10.fc2.com/blog-date-20101214.html へ


 
 そのシルキーピクスの設定をよく質問されるので、どこをどう扱えばいいのか、簡単に書いておこうと思う。
 まずは、デフォルトに設定する。

1_DSC1813.jpg


 注目してほしいのはホワイトバランスで、シルキーピクスのデフォルトでは、D700の場合は5226K、D3Xは5453Kとなるが、その数値が異なるにもかかわらず色味はほぼ同じになり、同じ被写体をテスト撮影した場合、僕の目でブラインドテストをしても、3XとD700の色を区別できない。
 つまりD700の5226KとD3Xの5453Kが=ということになる。
 なぜ、そんなにずれてしまうのだろうか?
 シルキーピクスのホワイトバランスは、確かRAWデータが持っているホワイトバランスの値を用いているはずだから、D3XとD700とでは、ニコンがカメラに設定したそのホワイトバランスの基準が異なっている可能性が高い。D700の色が好きになれない人は、D700で採用されているホワイトバランスの決め方が好みに合ってない可能性が高い。
 だがシルキーピクスでは、デフォルトを選択しておけば、機種に関係なく、ほぼ同じ色味になる。

 次にカラーを扱う。僕の場合は、「記録色1」か「記憶色2」を選ぶ。記憶色はデフォルトの「標準色」よりも彩度が高いだけでなく、緑の発色が異なる。標準色の彩度を高めると緑の黄色味が強くなるのに対して、記憶色を選べば、心地良い発色の緑になる。
 緑の発色がしばしば重要なネイチャーフォトの場合は、記憶色を選べばいいだろう。

2_DSC1813.jpg
GW-00016.jpg

 最後に調子を扱う。
 シルキーピクスのデフォルトでは非常に柔らかい絵作りになっているので、コントラストを高くする方向へ扱う。
 その場合、「コントラスト」、「コンラスト中心」、「ガンマ」、「黒レベル」と細かいバラメターがあるが、それらを細かく扱うよりも、一般的には、メーカーが大まかに決めた「やや高調」か「高調」を選べばいいだろう。

3_DSC1813.jpg
GW-00017.jpg

 D700を愛用しているもののJPGやNX2で現像した結果が気に入らず、ちらりと乗り換えが頭によぎるような人は、まずはシルキーピクスの無料の試用をためしてみて、上記の設定を試してみてはいかが。
  
  

テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真

E-620・D3X・EOS5D
st13815n.jpg

 来春偕成社から発売される5冊セットの本のうち、第四巻「消えない水たまり」の試し刷りが届いた。このあと1~2度色の直しをして、本番の印刷に進むことになるだろう。
 第四巻は、CanonEOS5D、NikonD3X、CanonEOS30D、OLYMPUS E-620、RICHO Caplio GX100で撮影した画像が混じるため、僕にとって、それぞれのカメラの特性を知る上でのとてもいいデータになる。

 さて、今回特に感じたのは、オリンパスの画像の印刷結果がいいということ。
 僕はE-620をRAWで使用するが、オリンパスはセンサーが小さい分ポテンシャルは低く、画像をいろいろと扱いまわすのには不向きなカメラだと感じる。 
 だが、オリンパスの画像処理は、その分、最初からあまり後処理を必要としないデータを出してくるから、ちゃんと撮影しておいて後処理は微調整にとどめ、RAWであっても撮って出しに近い形で使う分には非常に良くできたカメラだと思う。
 モニターで見る場合は、そのオリンパスの画像が若干線が太いようにも感じられるが、印刷をすると、モニターよりも画像が弱くなる傾向があり、ちょっと線が太いくらいが好結果になる場合が多い。
 D3Xは、さすがに高級品!という感じの、大変に上品な結果。
 EOS5Dはバランスが見事。スペック、画像処理ともに普通に本を作ることに関して言えば、最適なカメラだと思う。基本的には上品な描写だが、ほどほどに下品な部分もある。
 この本には定点撮影的な写真があり、一方を5D一方をD3Xで撮影したが、おそらく一般の人は、5Dの画像のやや下品な感じの方が親しみやすいのではなかろうか。写真を撮る人は、また違った目でみる可能性もあるが・・・。
 これはあくまでも、本のようなタイプの印刷物の話であり、プリントだとまた違う可能性もある。本を作りたいのか、写真展をしたいのか、モニター上で眺めたいのか、自分の目的もまた大事。
 

テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真