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水辺の写真家・武田晋一のホームページ 『水の贈り物』 と合わせてご覧ください。
ぼけの話  APO-MACRO-ELMARIT-R 100mm F2.8
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NikonD700 LEICA APO-MACRO-ELMARIT-R 100mm F2.8

 小さな生き物の撮影を仕事にする僕にとって、100ミリクラスのマクロレンズは標準レンズのようなもの。したがって、いろいろな銘柄のものを使用したことがあるが、ライカの APO-MACRO-ELMARIT-R 100mm F2.8 は間違いなくNO1だ。
 シャープなんだけどぼけがなめらかで、2線ぼけになりにくい。
 ナズナの花を逆光ぎみに捉えると、アウトフォーカスになる茎の部分が2線ぼけになりやすく、それはあたかも強制的に2線ぼけを出現させるテストのようなものだが、このレンズなら、かなり粘る。
 それから、独特のなんとも言えない色合いの発色。
 ただし、ピントを移動させる際にピントリングをたくさん回さなければならない作りになっているので、昆虫の撮影など、すばやいピントを要求される撮影には不向き。
 それから、定価がおよそ50万円と、目玉が飛び出るくらいに高い。
 確かにすごいレンズではあるけど、値段相応の価値があるか?と言えば、僕は、それだけの値打ちはないと思う。
 フィルムが衰退した結果、ライカのRシリーズの人気がなくなり、中古の価格が随分下がっているので買ってみたのだが、花の撮影に関して言えば、つまりぼけ描写に特化して言えば、タムロンの90ミリで十分。このレンズを使ってみて、改めてタムロンの出来のよさを認識させられた。
 それから、国産のレンズで撮影した画像と混ぜた場合に、このレンズで撮影したものだけが独特のトーンになり、描写が合わない感じがする。
 ともあれ、このレンズに手を出すのならば、たしかにすごいレンズではあるが、馬鹿げた買い物だと思っておいた方がいい。
 マクロ一本槍で、花しか撮らないような人にはお勧めします。
 ちなみに、僕のレンズはライカのマウントを取り外し、代わりにニコンのレンズ用のマウントが取り付けてある。
 
 

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ぼけの話  AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF) 
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NikonD700 AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)SILKYPIX

 シャープだけど、硬くてボケが悪いとされていたニコンのマクロレンズ。そんな中で、AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)についてはぼけがいいと評判がいい。
 僕も愛用しているが、確かに、その描写は安心して使えるレベルだ。

 だが、もしもボケ味にこだわるのなら、例えば植物の撮影に特化して使用するのなら、注意点もある。
 確かに後ボケはいいが、前ボケが汚いのである。
 今日の画像の右側に写っているぼけは、その前ぼけだが、ぼけが黒くつぶれてしまい、目障りな存在になり易い。
 このレンズに「ボケがいい」を期待し過ぎると、ガッカリさせられることもあるだろう。
 後ぼけは確かにきれいだから、このレンズの使いこなし方は、おのずと決まる。なるべく余計な前ぼけが入らないように、撮影するのがコツだ。

 ちなみに、Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8Dというレンズは、植物の撮影には案外面白い。
 僕がいまだにこのレンズを所有しているのは、絞りリングを有しているからという理由もあるが、他にもボケ味という理由もある。
 Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8Dは、前ボケと後ボケが同じようにぼけるのが特徴なので、撮影時に、どこが前ボケでどこが後ボケなのかを気にする必要がなく、カメラポジションを選ぶ際の自由度が高いのである。
 ともあれ、カメラよりも、やっぱりレンズが楽しいし、それぞれのレンズにいろいろな癖があるのが面白い!

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ぼけの話 (コシナ カールツァイス)
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NikonD700 Carl Zeiss Distagon T* 2.8/25mm ZF SILKYPIX

 コシナが販売しているカールツァイスのレンズは、各種のテストレポートを読んでみると、必ずしも高性能とは言えないものが案外多い。特に周辺の画質が悪くて、35ミリ判フルサイズセンサーのカメラには適さないのでは?と考える方も多いようだ。
 Distagon T* 2.8/25mm もその典型で、例えば、ここなどのレポートを読むと、評価が高いレンズとは言い難い。

 だが、実際に使用してみると、ボケと諧調の良さが抜群でどうしても外すことができない。
 絵になんとも言えないオーラがあって、写真が1ランク上手くなったのではないかと勘違いしてしまいそうになる。
 デジタルの技術を駆使してもどうにもならないのがボケであり、僕はデジタル時代のレンズの描写で一番重要なのはボケ味ではないかと考える。このレンズのボケ味は、以前にも書いたことがあるが、広角レンズのものではない、とさえ言いたくなる。
 僕は基本的に合理主義者なので、正直に言えば「優等生のレンズなんて面白くない。」と言ったレンズマニアの発言を、以前は否定的な思いで聞いていたのだが、このレンズを使用するようになってからは、むしろ擁護するようになった。
 
 ただし注意しなければならないのは、もしもパンフォーカスで使用するのなら、ボケ味も何もないということ。優等生ではないレンズの魅力に取りつかれた僕だが、絞り込んで風景を撮影する際には、迷わずAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDを選ぶ。
 
 

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著作の紹介 (とける岩の洞くつ)
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著作の紹介
水と地球の研究ノート② とける岩の洞くつ(偕成社)

主な撮影機材は以下の通り
CanonEOS5D 17-40㎜ 70-200mm 100㎜ 15mm
NikonD3X 24-70㎜ 

 這いつくばってようやく人が一人通れるくらいの箇所が連続する。しかも、観光鍾乳洞ではないので照明はない。たったウエストバック1つがどうにも邪魔になって仕方がないような場所に、三脚や照明器具を持ち込まなければ撮影ができない。足元は泥だらけで岩は尖がり、危険も多い。一番遠い場所までは片道2~3時間も要する。写真を撮る場所としては、これ以上の悪状況は滅多にない。 

 照明器具がなければ撮影ができない場所での、照明の方法は、おおきく分けると2つ。1つはストロボを使う方法。あとの1つは定常光を使う方法。
 ストロボを使用すればぶれの恐れがなくなるからカメラは手持ちで済むが、ストロボをカメラから離して理想に位置に固定するための三脚が必要になる。一方、定常光を使用すれば、カメラは三脚に固定しなければならなず、ライトの方を手で持つことになる。
 いずれにしても三脚が必要になり、荷物の量に大差はない。
 それならば、光のコントロールが容易な定常光の方がやりやすかろう、と洞窟内での風景や物の撮影には定常光の照明器具を使用したが正解だった。もしも定常光という選択肢が思い浮かばなかったなら、この本はなかっただろう。
 表紙の写真などは、脚立があれば、白飛びを抑えてもっときれいに照明できる位置にライトを持っていくことができるが、洞窟の中ではどうにもならないし、ストロボで同等にライティングしようとすると、格段に難しくなる。
 野外での撮影の際に使用される照明器具と言えば10中8,9以上ストロボだが、定常光による照明の可能性を考えさせられる撮影になった。
 例えば、曇りの日の植物の撮影などの際に、LEDライトでアクセントをつける・・・などなど。