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フォーサーズ、マイクロフォーサーズ
 フォーサーズ、マイクロフォーサーズは、センサーが小さい分、画質もそこそこではないか?と不安を感じておられる方が結構おられる。実は僕も、それらのカメラで仕事をしているにも関わらず、同様の感情がないと言えばウソになる。
 結論から言えば、35ミリ判フルサイズセンサーのカメラとなんら遜色がない結果が得られる場合もあれば、逆に、厳しいなと感じる場合もある。
 つまり、どんなシーンが得意でどんなシーンが不得意なのか、得手不得手を使い手がよく理解しておくことが肝心だ。
 
 僕は最初、1つ1つの画素が小さいので、ダイナミックレンジが狭くて、コントラストがある被写体に弱いのではないか?と予測していたのだが、この心配は無駄に終わった。オリンパスの画像処理は、その明暗を実に上手に1つの画面の中におさめてくる。
 だが逆に、曇った日の平坦な被写体には弱い。
 曇った日の場合、はっきりした明暗がつかないので物の輪郭が弱くなり、輪郭という線ではなく、微妙な被写体の濃淡で被写体を描写をすることになる。つまり、諧調が重要になるわけだが、フォーサーズ、マイクロフォーサーズではそこが弱く、塗り絵的になりがち。
 だから、画面にハイライトを入れる。あるいは画面にシャドーを入れるなど、カメラの弱点をカバーするためのメリハリをつける構図を考える必要がある。

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OLYMPUS E-620 ED 9-18mm F4.0-5.6(改造)1ストロボ 水中 SILKYPIX

 オリンパスは昆虫を撮影するカメラマンに愛用者が多いが、なるほど、昆虫は晴れた日によく活動するし、昆虫のカメラマンは晴れの日に好んで出かける。フォーサーズ、マイクロフォーサーズに適した条件だと言えるし、彼らがフォーサーズやマイクロフォーサーズの被写界深度の深さだけでなく、口を揃えて、
「オリンパスの画質はイイ」
 というのが頷ける。
 あるいは曇った日の場合は、昆虫の写真家はストロボを使う場合が多い。
 すると、ライトの位置さえ正しければ、被写体に適度なコントラストが生じ、これまたフォーサーズ、マイクロフォーサーズに適した条件になる。
 むしろ、軽量コンパクトであることが、大きなカメラではできにくい器用な撮影を可能にしてくれる。

 僕の場合は、主に浅い水中の撮影で小型軽量なオリンパスを使用する。
 以前、自然光で、水中の両生類の卵を撮影した際には、正直画質に物足りなさを感じた。
 ところが、夜の撮影でストロボを使用する場合、画質は文句なし。
 なるほど!こう使うカメラなのかと結果から教えられる。

 フィルム時代に、さまざまなサイズのフィルムを使用しておられた方々から、
「35の方が気を使うよ。画質にゆとりがない分、ポテンシャルをフルに引き出さないといけないからね。」
 と聞かされたことが何度かあったが、デジタルでも同様なのだ。


 

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Ai AF Nikkor 28mm F1.4D
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NikonD700 Ai AF Nikkor 28mm F1.4D SILKYPIX

 大口径の広角レンズはシグマから比較的安価なものが発売されており、ボケを味わいたいのならそれらのレンズでもいいが、絞りを解放付近で使用し被写界深度が浅いなりにちゃんと像を結ばせたいのなら、高価でもメーカー純正のレンズを買った方がいい。
 メーカー純正のものは一般に割高だが、それだけの差があるか?と言われれば、正直に言えば大抵の場合それほど違わない。
 ただ、絞り解放で、あらゆる撮影距離(特に無限遠)でビシッとした描写を求めれば、値段の差に匹敵する描写の違い、場合によっては値段の差以上に違いが感じられることもある。例えば星にレンズを向けてみると、安価なレンズは解放では全く使えない場合が多く、だいたい5.6以上は絞りたくなる。
 そんなケースで、「レンズの不具合ではないか?」とメーカーに検査をお願いしたこともあるが、毎回ちゃんと規格に入っていると帰ってくる。
 しかしAi AF Nikkor 28mm F1.4Dなどは、f1.4でも十分に使える。
 
 もちろん、そうしたクソまじめな意味での描写だけでなく、高価なレンズの描写には独特の空気感とオーラがあり、撮影後の画像をパソコンのモニターに映し出す瞬間がより楽しくなる。ニコンD700のような高感度に強いカメラと組み合わせての室内撮影も楽しい。

 大口径広角レンズはコシナからも35ミリのf1.4が販売されており、AFではない分設計の際の自由度が大きく、描写の面ではそれらのレンズが一枚上とも言われるが、よほどにピントに自信がある人以外にはメーカー純正の方をお勧めしておく。
 僕はそんなにピントで苦労する方ではないのだが、大口径広角レンズのピントを正確に出すのは非常に難しく、AFが実用的だ。

 そして、中古を買う場合は、それなりの覚悟が必要だろう。
 以前、あるニコンの技術者の方に、
「Ai AF Nikkor 28mm F1.4D って写りますねぇ。」
 と言ったら、
「もしも今の状態がよく写るのなら、絶対に分解整備をしない方がいいですよ。大口径の広角レンズはとにかくデリケートなんです。」
 とアドバイスをしてもらったことがある。
 つまり、ちょっとした組立の具合で、描写が大きくばらつくのだ。

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